第7話
「ねえ、姉様?」
「なあに?妹よ。」
「着いた?どうなった?」
「………………………………………見てたのでしょう?」
「………………………………………見てました。」
「そう。じゃぁ、またね〜?」
「ちょっ、まってっ、約束通り一人ちょうだ………………………………………………」
目の前には、真っ裸の老若男女美男美女が十数人。
赤子までいる。
全員が、『元ゴキブリ』。
皆、何を聞いても『わからない』。
お洋服、いっぱい持ってきて良かった。
これはもう、連れ帰ってから『専門家』に任せるしかないわね。
「………………………………………お嬢様の『エクストラヒール』は凄まじいですな?」
「………………………………………褒めても何も出ないわよ?」
「古の言い伝えによれば、二百年程前の魔王の侵攻で滅びた辺境伯家の家族構成がこの者達と一致しますな。」
「………………………………………魔王の『呪い』を掛けられてたって事かな?」
「恐らくは。辺境伯家の魔力痕も保護した彼らと一致するようです。」
執事長恐るべし。遥か昔に滅びた貴族家の構成や魔力痕まで知ってるなんて。
「彼らの元領地は今どうなってるのかな?」
「『魔の森』となって、魔物が溢れ出す根源となっております。」
「………………………………………妹よ、聞こえる?」
「さっきは酷いわよ、約束通り一人頂戴ね。
なあに?姉様。」
「聞いてたでしょう?一緒に行く?」
「っ、行きます!是非!!」
「決まりね?一緒に潰しましょう、魔王を。」
「お嬢様、恐らくですが…………………………」
「何かな?」
「彼らの記憶は、魔王を倒せば戻るかと思われます。」
「他の方法は?」
「お嬢様のエクストラヒールを重ね掛けすれば、一人だけなら記憶を復活出来るかと。
魔王の呪いは強力ですから、それ以上はお嬢様の寿命を縮めるでしょう。」
「案内人が欲しいから、やってみましょう!
この中で、一番魔力が強いのは誰かな?」
「最初に保護した彼ですね。」
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