第71話 エアルリーザ・フェン・オルヴェルド 六歳 誕生日プレゼント

まえがき

エアルリーザ視点です。

ーーーーー


私はエアルリーザ・フェン・オルヴェルドです。

お父様エヴィンカル・フィン・オルヴェルドとお母様アウルーレ・フォン・オルヴェルドの娘で、オルヴェルド公爵家の長女です。


私はお父様とお母様のような貴族になる為、日々礼儀作法、勉強を沢山して、ラハートフのようになるべく魔法の修練などをしています。


そんな風に過ごしていた私は先日六歳になりました。


六歳の誕生日パーティーを私はとても楽しみにしていました。

今までの誕生日パーティーと違うことになると思っていました。

ラハートフが最初に会ったときのように五体のドラゴンの隊列飛行やグリフォンに乗って空の旅みたいことを、何かをやってくれるんじゃないかと期待し楽しみにしていたのです。


しかし、ラハートフに招待を送ったのですが、返ってきたのは参加の辞退でした。

楽しみにしていたこともあり、辞退されることを微塵も予想していなかったので驚愕してしまいました。

それとその時は悲しい気持ちが溢れてきました。


沈んだ気持ちで開催された六歳の誕生日パーティーは去年、一昨年と似たようなパーティーでした。

少し違うのは歳の近い男の子達がよく話しかけてきたことですね。


「中級魔法が使えます。」「騎士に勝ちました。」「魔物を斃しました。」「ドライフルーツという宝石ような果実を買いました。これなのですが、家に沢山あるので食べに来ませんか??」


誇らしげに言う男の子達に去年の私だったら、素直に少し尊敬して「凄いですね!」「美味しいですね!」と言っていたと思います。

ドライフルーツはどれも美味しいので、素直に言いますが……。


今年の私は、ラハートフと出会った私は男の子達のことを「なになに出来るようになった!」と言う弟や妹達のように見えて、微笑ましく接してしまいました。

なぜか男の子達は顔を赤く染めました。


そんな彼らの話を聞いていると「ラハートフはもっと凄い」とも思ってしました。


中級魔法以上の魔法を使うラハートフ。

それが生活魔法だなんて可笑しくて笑ってしまいます。今ここで言っても彼らは絶対信じませんね。

ラハートフは凄いのですよ!と大きな声で言いたいですが、我慢します。


大人の騎士と戦うラハートフ。

とても恥ずかしい出来事ですが一緒に大泣きした後から騎士の訓練に参加するようになったラハートフは、最近大人の騎士とも模擬戦をするようになりました。

小さい身体で凄いのですよ!


上位種を斃し共闘しお父様を助けたラハートフ。

お父様の命の恩人ラハートフ。もしラハートフがいなければ、今年の誕生日パーティーにお父様がいなかったかもしれません。

この場でラハートフに改めて感謝を言いたかったです。


最高級品のドライフルーツを作るラハートフ。

他にもアマミツや果実、野菜と生産しているなんて、私達以外に誰が信じるでしょうか?

ラハートフのおかげでオルヴェルド公爵領地で様々な食べ物が生産されるようになり、少しずつ豊かになってきました。もっと豊かになります。


本当にラハートフは凄いです。


ふと会場にラハートフがいないか何度か見渡してしまいました……




沈んでいた気持ちは「「おめでとう(ございます)。」」のお祝いの言葉と男の子女の子達の微笑ましい報告に少し上がり、パーティーは終了しました。


パーティーが終わり休んでいると、メリルがラハートフを連れてきました。


「誕生日おめでとうございます。」


とっても気持ちが籠っているように感じました。

ラハートフからの言葉は誰よりも嬉しく思いました。

心がほかほかと暖かくなるのを感じました。


ラハートフが誕生日の贈り物だと彼のプチボックスから出す物はいつもの以上の品のアマミツやドライフルーツなどの他に、私にとって理想で目標の物が置かれました。


あの時はプチファイアだったため触れることができませんでした。


プチアースで作られたドラゴンライダー。しかも四つ。

ファイアドラゴンの他にウォータードラゴン、ウィンドドラゴン、アースドラゴンに騎乗した理想の成長した私。


今にも動き出しそうな美しい造形、頑丈な素材、膨大な魔力が込められた魔法で作られた物。


素晴らしい物でした。


そんな素晴らしい物を私の為に作ってくれたことにとっても嬉しく思いました。




さらに驚くことと新たな魔法の目標がありました。

ラハートフは四つのドラゴンライダーを動かして、戦わせたり、飛行させたり、ブレスみたいなものを放ったりと私に新たな目標を見せてくれました。


ラハートフ、凄すぎます!

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