第67話 裏 増える働かず貰えるお金
まえがき
エアルリーザ視点です。
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私はエアルリーザ・フェン・オルヴェルドです。
お父様エヴィンカル・フィン・オルヴェルドとお母様アウルーレ・フォン・オルヴェルドの娘で、オルヴェルド公爵家の長女です。
私はお父様とお母様のような貴族になる為、日々礼儀作法、勉強を沢山しています。
あとお父様の命の恩人、弟妹並みに小さい同い年の男の子ラハートフ(私の方が生まれが早いのでお姉さんです)の素晴らしい魔法(それが生活魔法だということに常識が壊れてしまいました。褒めています。)を見て、彼のようになりたくて教えを説いていただき、魔力量増加や技術を日々磨いています。
ラハートフに出会ってから、いちご畑や生活魔法での修練などでお父様とお母様達、妹と弟達と接することが増え、以前にも増して楽しい日々を過ごしていた。(ちょっと、いえ、すごく恥ずかしいことがありましたが……)
その恥ずかしいことがあった日より少し前の日にラハートフが高級品のアマミツを何瓶も持ってきました。
アマミツバチに作ってもらったとかどれも違う蜜のアマミツですとか言ってました。
こんな何十種類のアマミツを食べたのはメリルと私だけじゃないでしょうか。
どれもとても美味しかったです。
以前食べたことがあるアマミツよりも遥かに美味しかったです。
そんな高級品より最高級品であろうアマミツをラハートフは定期的に渡してきます。
定期的にです!
しかも対価無しですの!
タダでくれますの!
何度も何かしら対価を渡そうとしても「お世話になってますから。」とか「エアルリーザ様のありがとうだけで充分です。」と言って受け取ってくれません。
なので私はお父様にラハートフへ「オルッシュで養蜂をやりませんか」と言ってくださいとお願いをしました。
オルッシュはラハートフの生まれたところです。
オルッシュで養蜂をされれば、そこでできたアマミツなどをオルヴェルド公爵家御用達が買い取ります。
今まで貰った分には全く届きませんが、それからはお金がラハートフに渡されるようになります。
ラハートフなら断らずやってくれると思います。
お父様と交渉で果実や野菜などの乾燥物(一部の乾燥物、宝石のようなドライフルーツも無くなった頃に持ってくるのよね……これもタダなのよね……)をオルッシュの特産品にすることに成功させた。
だから私はラハートフは養蜂もオルッシュのためにやると思った。
思った通りラハートフは養蜂をオルッシュとオルーヴェでもやり始めました。
オルッシュでやることは思った通りでしたが、オルーヴェでやることは予想外でした。
養蜂をする場所のためにと作られた建物は驚くものでした。
お父様にラハートフが養蜂をやると聞いた翌日にはラハートフの実験畑の四方と中央に城壁の高さ近くまで達する柱と階段ができていました。
ラハートフがプチアースで作りました。
一週間後には四方柱の内側に追加の柱、天井と土を敷き詰めた床が何階層も出来上がり、さらに三ヶ月かけて全面ガラス張りの壁と屋根ができ、温室塔が完成されました。
ガラスも魔法で作ってました。
ガラスの材料をプチウィンドの巨大な器に入れ、十個以上のプチファイヤで混ぜ溶かし、プチウィンドの枠に流し、固め、出来上がったガラスを積み重ねてプチアースで結合してました。
プチファイヤで溶かすって……
まだ常識に囚われていました……
プチ魔法とは凄いですね……
魔法をいくつも同時使用しても平然としていてラハートフも凄いです。
私はまだ四つまでしか同時に使用できません。
ラハートフに追いつけるようもっと頑張りましょう……。
養蜂自体はオルッシュではやると聞いた翌日から、オルーヴェでは床ができた時から始まっていました。
オルッシュのアマミツなどは予定通り買い取ることになりラハートフにお金が渡されるようになりました。
しかしオルーヴェの方は「オルヴェルド公爵家で使ってください」ですって!
しかも温室塔の一階はフルーツ狩りというものでいちごや葡萄、さくらんぼという可愛い果物などを「自由に取って食べてください」ですって!
お父様、お母様と一緒にいちごを取って食べるのは楽しかった思い出ですが!
また貰い物が増えてしまいました……
変わらず最高級品のアマミツを定期的に渡してきます。
とても美味しいのでいらないとも言えません。
とても美味しいので嬉しいのですが、どうすればいいのでしょうか……
メリルが笑顔でありがとうと言えばよろしいかと言いました。
ありがとうはもちろん言ってますが、対価になるわけないじゃありませんか。
まったく、メリルは何を言っているんだか……
はぁ、どうすればいいのでしょうね……
アマミツバチは片言ですが言葉を話すのですね。
初めて知りました。
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