第57話 エアルリーザ・フェン・オルヴェルド 五歳 3
まえがき
エアルリーザ様視点です。
ーーーーー
ラハートフのようにグリフォンやドラゴンの魔法を使うには魔力量を増やさないといけないみたいでラハートフにお父様とメリルと共に魔力量を増やす方法を教えてもらいました。
その方法が魔力切れを起こすことだと聞いて私達はとても驚きました。
魔法を教えてもらうときに一番最初に魔力切れを体験させられて、目を覚ましたら次の日で、「何をされても気が付かないのですよ」と教えられましたから、魔力切れは起こしては駄目なことだと思っていました。
お父様は魔力切れの危険性を知っていますから黙ってしまいました。
しかし、私はラハートフのように素晴らしい魔法を使いたかったのです。
お父様に「それをしないとできないの」とお母様に教えてもらったお父様に効く女の子の仕草を真似てました。
お父様が怯みました。
さすがお母様です。
そして、またラハートフがお父様にあれこれ言い、条件付きでやっていいと言ってくれました。
それはお父様かお母様と一緒に寝ることで、私にとってはとても嬉しいことでこれに関してもラハートフには感謝をしなければなりません。
お父様の命の恩人で素晴らしい魔法を使い、その魔法の使い方と魔力量の増加方法まで教えてくれるラハートフ。
どう、感謝をすればいいんでしょうか?
数日が経ち、魔力量が増えていることを実感しています。
しかし問題があり、ラハートフにどうしたらいいか尋ねました。
また言葉遣いが偉そうに言ってしまいましたが、ラハートフは嫌な顔をせず答えてくれました。
魔力を込める量を増やす?
同時に使用する?
そんなことは魔法の先生に言われたことがないこと、図書室の本にも書いてないことを言われてとても驚きました。
同時使用は難しいですが、これらができれば問題が解決するでしょう。
ラハートフと会話をしながら魔法を試行するのはとても楽しいです。
ラハートフが今まで作ってきた形と言い、掌の大きさのドラゴンやグリフォン、リヴァイアサンなどの聖獣や風の精霊やら魚やら様々な形の魔法を見せてくれました。
これ、生活魔法なのですよ?
ラハートフの魔法や技術を見て、魔法の常識が崩れていくのを感じました。
複雑な形も凄いですが、それを操作、制御する技術が非常に高いのです。
ラハートフは会話をしながら簡単に行っています。
お父様やお母様より凄いのではないでしょうか?
圧縮という新しい技術も分かりやすく教えてもらいました。
先日乗せてもらいましたグリフォンも先程のドラゴン達もこの圧縮が基本なのです。
ラハートフが「極めると。」と言い見せてくれたものは、ドラゴンライダー。
真っ赤な私が真っ赤なドラゴンに跨がっています。
背筋をぴんっと伸ばし堂々としています。
理想そのものでした。
新たな目標ができました。
私はこのドラゴンライダーを目に焼き付けました。
新たな目標に向かって精進しているある日、ラハートフがメリルを見つめていました。
ラハートフの表情は見たことがありますわ。
男性の領兵達が女性の使用人を見ていた時の表情と同じです。
領兵達は好いている使用人を見ていたようです。
好いている使用人を、見ていたのです。
ラハートフは、メリルが好き?
なぜか胸が締め付けられました。
「ラハートフは、メリルが好きなの?」と聞くつもりはなかったのですが、私の口から出てしまいました。
「好きな方ですね。」
ラハートフがそう答えるとメリルが顔を赤くして照れているの隠している表情を見ました。
ラハートフの言葉とメリルの表情を見て、さっきよりぎゅっと胸が締め付けられました。
確かにメリルは美人ですし、仕事もでき、強くもあります。
自慢の専属侍女です。
そういえば、お母様達に抱き締められて、ラハートフは顔を赤くしていたわね。
メリルもお母様と同じくらい大きな胸をもっている。
自分の胸をちらっと見る。
お母様達のようになるのかな?
ラハートフはお母様やメリルのような女性が好きなの?
私が抱き締めたら顔を赤くしてくれる?
そう思いながらラハートフを見ていたら、目が合いラハートフがにこりと笑った。
顔が熱くなった。
目を逸らしてしまった。
急に目を逸らしてしまったせいでラハートフが私に嫌われたかもしれないと思ったら嫌だと思い、ゆっくりラハートフの方を見たら、ラハートフは私を見ていた。
なんで見てるのっ?とまた目を逸らしてしまった。
今日の私はおかしかった。
ラハートフと目を合うと逸らしてしまう。
ラハートフと目を合わせられなかった。
でも何度か繰り返すと少し慣れて合わせていることができるようになりましたが、なぜか逸らしてはいけない!逸らしては駄目!逸らしたら負け!と思い、ラハートフを見つめ続けました。
「これでは勝てないわ。」
無理でしたわ……
ラハートフを見ると顔が熱くなり心臓が激しくどきどきとなっった。
部屋に戻っても長い間治まることはなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます