第12話 五歳まで
まえがき
昼にもう1話公開します。
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女の人も冒険者で後衛の魔法使いだった。
ちなみに女の人はマジール、男の冒険者はケンディという名前だった。
ケンディさんは剣士で前衛の冒険者。
母さんの話を寝落ちして聞き逃してしまったが、なぜ冒険者が村に来ていたかというと風呂場、浴槽のための伐採時に何体か魔物を見かけるようになり、村からその魔物の討伐プラス調査の依頼が出ていて、この依頼を受けたからだそうだ。
フォレストウルフという狼のような魔物が人の気配を感じ、近づいてきていたようだ。
二人は協力?して(俺の事で言い争いをしながら)討伐したみたい。
そして、二人ともお風呂を気に入ったらしく、依頼を完了した後、村を拠点にしている。
お金が少なくなったら街に依頼を受けに行き、終わったらこの村に戻ってきて滞在している。
滞在中はマジールさんとは魔法の検証、試行を繰り返し、ケンディさんにはなぜか体術と剣術を教わっている。
俺も彼女達が知らなかったみたいだから魔力を込めたり逆に少なくして使用する技術や複数同時に使用する技術を教えた。
あと魔力切れを起こすと魔力量を増えることも教えた。
マジールさんが画期的な技術だと言われ、信用できる人にしか教えては駄目だよと注意された。
二人ともはどっちもできるようになり、交代で魔力切れを起こし、魔力量を増やしている。
村の住人達もお風呂の湯のために魔法を使い始めるようになって、それから子供達が俺の真似をして(マジールさんに注意される前だったから二つの技術と魔力切れを教えていた)、それを親が見てやるようになって、冒険者の二人と似たような感じになっている。
村の住人達にはマジールさんが言っていたことも伝えた。
肉屋の夫婦のところには定期的に通っている。
おっちゃんには解体を教わっておて、奥さんには干し肉の作り方などを教えてもらって一緒に作業をしている。
そして、奥さんのお腹が膨らんできている。
おめでただ。
なんか、俺も嬉しい。
両親とは一緒に天体観測をしたり、仕事終わりの父さんの腕や足をマッサージしたり、母さんのお手伝いをしたりしている。
お風呂が広がり赤ちゃんが亡くなることがゼロになり、暗いニュースが無くなり、とても充実な生活を送っている。
魔法に関しては魔力量、魔法の造形、同時使用数を順調に増やしていた。
浴槽を作ろうとしたプチアースは亀や土の手の形、単純な落とし穴などを作れるようになった。
魔法の試行をしている時に、筒を使った空気の押し出す力や空気鉄砲の理科の実験を思い出し、筒の空気をある程度押すと押し返され、空気鉄砲は玉が飛んでいったことを思い出した。
それを思い出して自分が立てる大きさの四角の形のプチウィンドを圧縮して魔法を使った。
指で押すと押し返された。
プチウィンドに片足を乗っけて押して感触を確かめてから、もう片足をさっと上げてその上に乗ってみた。
プチウィンドから落ちずに立っていられた。
マジールさんが目が溢れてしまうんじゃないくらい見開き、顎が外れそうなくらい口を開き、こっちを見ていた。
美人が台無し、間抜けな顔をしていた。
テンションが上がりそうだったけど、その顔を見て冷静になった。
プチウィンドの上に立ったまま、プチウィンドを動かした。
あれだ。
動く歩道、いや前後上下左右に動くから魔法の絨毯の方が合ってるかな。
箒の形にすれば魔法の箒かな。
これ、空中にこの圧縮したプチウィンドを設置すれば、空中を移動でき空中戦ができるようになるかも。
マジールさんの周りを飛んだんだけど、しかばねのようだくらい目の前で手を振っても全く反応がない(呼吸はしていた)。
可哀想だから、目と口を閉じ、マジールさんが横になれるサイズの圧縮プチウィンドを作り、寝かした。
プチウィンドから落ちないことを確認して、泊まっている宿の部屋まで運んだ。
戻り一人になって早速圧縮プチウィンドの形を大きい絨毯や箒、空の波に乗るボードして乗って飛んだ。
そして、圧縮魔法の危険性を知ったと同時に新たな使用法を思い付いた。
調子に乗って、空の波に乗るボードの技をして、逆さまに落ちた。
若干パニックになり魔法の制御を忘れた。
地面に落ちて、圧縮プチウィンドが解放され暴風が吹き荒れ、地面をゴロゴロ転がった。
これ、プチファイアだったら大火傷、プチアースなら生き埋めか圧死になっていたんじゃないかと想像しぞっとした。
今まで一度も圧縮の解放がされなかったのが不思議でならない。
いや、解放されなくてよかったんだけどね。
誰も怪我をしなくてよかったよ……
後日圧縮した魔法の危険性を村の全住人に見せて、教えた。
俺は圧縮魔法を使い慣れるため使い続け、更に圧縮に圧縮を重ねたり、わざと解放させたり色々試行した。
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