もしも、コロンブス交換より前に間違った意味でコロンブス交換をしたら
旧大陸と新大陸の産物を交換するコロンブス交換。それによって家畜や作物、疫病などが交換されたわけだが、もしも交換する前の産物が逆の大陸に所属していたらと妄想してみたい。物語のスタート地点は1492年が良いように思う。
旧大陸にはトウモロコシやジャガイモ、トマトなどがあるが馬や牛はいない。大型の家畜はリャマやアルパカにとどまる。新大陸には乗用できる家畜がいて、作物では米や麦が取れるが南米山岳地帯でのジャガイモの生産力は出せなくなる。
一番大きな影響を受けそうなのが旧大陸の遊牧民で、馬やラクダなしでは史実の生活はまったく立ち行かないだろう。ユーラシア大陸内部での文化交流は史実よりも難しくなり、地域性がもっと強くなるのではないか。
アレクサンドロスのものを初めとして大帝国の幾つかも興らなくなる。時期にもよるが歩兵が主力だったローマ帝国はしぶといかもしれない。
陸上輸送が難しくなる分、海上輸送の重要性がもっと強くなる。
疫病も交換するならペストや疱瘡とはサヨナラできる(そうでなくても拡散速度が低下する)。
新大陸では馬の機動力を活かせるようになって北米の先住民は史実よりも大きな連合を組めるかもしれない(実は人が来るまでは北アメリカにも馬はいたのだが滅ぼされないものとして)。中米の文字文化も旧大陸全体に広がるチャンスが増える。
インカ帝国で栽培されるのは雑穀の仲間になるのだろうか。エチオピア原産の作物が気候的には合うかもしれない。地形的に南米で家畜による移動をどれだけ活かせるかは難しいところもあるが、実はアマゾンの熱帯雨林もコロンブス交換で疫病が蔓延する前はそこそこ開拓されていて、人々が死に絶えた後に森林が復活した説もあるらしい。
ゾウも移動しているものとすれば、開発に使えるかもしれない。
ちょっと考えを遊ばせるには楽しいけど、本気で取り組もうとしたら手のつけ初めも分からないテーマだ。よほど絞って歴史の一場面を描くしかないかも。
とりあえず我々もクリスマスにはチキンじゃなくて七面鳥を食べていることだろう。でも、クリスマスに預言者が生まれる馬小屋自体がないのか。
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