近親恋愛創作を減らしたかったら近親婚を合法化するのが一番

 タイトルが全て。「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」など、少し――けっこう?――前に流行ったわけだが、そういう作品を気持ち悪い、生まれてほしくないと感じるなら、近親婚を合法化させて近親恋愛につきまとう物語性を低下させるのが一番効果的である。


 恋愛ストーリーは障害が大きいほど燃え上がる。

 家柄や人種はポリティカル・コレクトネス的に障害にしにくくなったが、血の近さは未だに健在である。むしろ表現の世界では扱いが厳しくなってすらいる。まぁ、家柄(収入)の方はリアルにはえげつない程の壁がある気もするんだが……近親はそっちの目眩ましに使われていないか?

 家柄や人種の障害も、身分制度の残っている世界に行ったり人種を通り越して種族の壁――副次的に寿命の差などが表れることもある――にすることで再活用は可能だが、近親ほどダイレクトではない。


 この最後の恋愛逆触媒を失墜させるには、現実に近親婚を可能にすることで、それまでにあった壁を陳腐化させることが最も効果的だと思う。

 創作でいとこ同士の結婚への反対が描かれることがあっても、法的には問題ないからいまいち反対意見に乗り切れない(名探偵コナンの船の事件を思い出す)。議論を突き詰めていくと、反対側が無理を言っているだけでナンセンスと切り捨てることが自分にはできてしまう。

 より血縁の近い結婚が禁止されている関係でも、実際に結婚が許可されたら、いとこ婚と同じ感覚になっていくと思う。

 歴史的な忌避感などから障害を感じられることで物語性が維持される時間差はあっても、合法化されたら最終的には衰退していくジャンルになるのではないか。関係性などが好きって人は残るだろうが、義きょうだいジャンルとの垣根は下がっていく。


 最終的には自分を異性化させたクローンとの結婚のみが禁止の世界になり、上級ナルシストが近親作品好きにとって最後の砦になるかもしれない。

 しかし、星界シリーズのアーヴは、自分の遺伝子を改造したクローンを子供にする場合があり、なおかつ近親者に遺伝子提供を求める場合もある(例示されたのはきょうだいだった記憶だが、親が自分のクローンできょうだいを作ることも可能)ってことは、それすら禁忌じゃないんだよな……


 まぁ、近親恋愛は現実にありえることなので創作の都合よりも、当事者の気持ちが一番大事。そこは忘れないようにしたい。


 なお、人物描写あまりできていないが、風雲島国取り戦記(https://kakuyomu.jp/works/16817330652382526853)は姉がメインヒロインのつもりで書いている。よろしくお願いします。

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