指が三本ある進化中の馬に蹄鉄を装着できるか

 騎士などの乗り物として、割とファンタジーに欠かせない存在である馬。そんな馬は進化の過程で指の本数を減らしてきた。たとえばWikipediaの「ウマの進化」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%9E%E3%81%AE%E9%80%B2%E5%8C%96 にまとめられている。

 進化の途上においては馬の指が3本や4本だった時期があるのだが、そういう馬をあえて作品に登場させることでエキゾチックな雰囲気を出せないかと考えた。


 その際に問題になりそうなのが蹄鉄の装着である。三本の指すべてを一枚の蹄鉄でまとめる形で装着したら、馬の健康を害するかもしれない。

 確認すると蹄が一本の足に二つある偶蹄目の牛はかつては蹄鉄を装着していたらしく、蹄ごとに別の蹄鉄をつけていたことがわかった。Wikipediaの「蹄鉄」よりhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B9%84%E9%89%84

 どうも、装蹄師は三本の指ごとに蹄鉄をつけるという面倒なことになりそうだ。


 あるいは中心の一本のみに蹄鉄を装着して、両脇の二本は蹄を削って接地しないようにしてしまうか。小さいうちに指そのものを切除してしまう方法すら考えられる。異世界の文明が進んでいくと動物愛護的に問題になりそうだけど、ヒヨコのクチバシをカットする感じかもしれない。

 蹄鉄の便利さに気づく機会があれば、それを活かすため、品種改良によって強制的に一本指になる方向にもっていくことも考えられる。


 それが難しく、しかも三本指それぞれに蹄鉄をつけるのが不合理と判断されたら、クセノフォンが馬術の本(クセノポーンの馬術―ヨーロッパ馬術小史)で書いたように厩に丸石を敷いて天然の蹄を鍛えたり、日本に蹄鉄が入ってくる前のように藁沓を履かせる方向に進むことも考えられる。


 どうも馬の種は体格が大きいほど指が減る相関関係があるから、そもそも三本指(接地)状態の馬に人が乗れるか?って問題もある。意地でもやりたければ人間の方もホモ・フローレシエンシスにして小さくすれば解決だな!あるいは重力などのパラメーターを調整する(それで同じ動物が進化するのか?なんて疑問まで持たせてはいけない)。

 そこまで設定して受ける相手は一部の古生物ファンくらいだろうなぁ(ツッコミを入れられるのも古生物ファンだけ?)……漫画ならさらっと描写できるけれど、小説だと冗長と言われる予感。

 それでもやりたければ自由に書けるのが趣味で書くWeb小説のいいところだ。


 たまに馬以外の動物が騎乗の対象になる作品がある(たとえば風の谷のナウシカ)ので、そういうところに応用をするのがいいかもしれない。どうか蹄鉄は指ごとに着けてあげて欲しい。




 ネットの時代だからさっと調べられたけれど、なかったら図書館で本を引っ掻き回していたのだろうか。

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