第2話 成人の儀2

神社に多くの人間が集まっている。

みんな成人の儀を受けるために集まったもの達だ。

俺と奏音(かなと)もその集まりの中にいた。


「あー。緊張するなぁ。お前は、同期で一番だからそんなに緊張しないだろうけどな」


「何言ってるんだよ。学校での成績なんて、あまり関係ないの知ってるだろう?俺も緊張してるよ」


学生時代の成績が良くても成人の儀の武器次第で、その後の人生が一変することもある。

だが、成績優秀者が強い武器を出して成功していることが多いのも事実だ。

だからこそ俺は、学生時代も鍛錬し続けた。


「あ!次は、心羽(しんば)の番みたいだ」


俺たちのクラスメイトである倉光 心羽(くらみつ しんば)の順番のようだ。

俺と奏音は、成績上位なので最後になっている。


血晶石を埋め込まれた瞬間、身体が発光して目の前に武器が現れる。


「やった!槍だ!」


心羽が喜ぶ声が聞こえる。

彼が発現したのは、黄色い柄と刀身の槍だ。

 

「刀、槍、その他の武器の順に強いから結構良い武器を発現したな」


「刀と槍の発現率がそれぞれ1割だっけ?一気に出世で羨ましいよ。」


奏音が言うように発現率の低い武器を発現すると国の要職に就くことができる。

 

「例え弱い武器でも努力次第で強くなることができる。あまり武器に頼り過ぎると成長しないぞ」


「はいはい。翼さんは、真面目さんだね」


少し機嫌を損ねたのか奏音は、適当な返しをしてくる。

 

そうこう話してるうちに俺たちの番になった。


「じゃあ俺から行くな」


そう言って奏音が祭壇に登っていく。

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