第13話 玉井組長へ相談…

あまりに無秩序な版図拡大の挙げ句、

川崎組は襲撃され…

周囲の組からも閉め出された。


それでも何とか川崎組を再構築しようと

重症を負った若い衆の補充にと

関係者は方々スカウトに奔走している。


隆史にも白羽の矢が立った訳だが…

義理の兄を川崎組に殺られた事で、

隆史自信も どうしたものかと考えていた。


隆史は殺られた義理の兄の父である玉井組長を訪ねた。


「組長、ご無沙汰しております。ご機嫌うるわしゅう……。」


玉井組長

「おお!隆史君か!以前より良い男に成ったんじゃないか? 

元気そうじゃないか。」


隆史

「はい…ありがとうございます。

お陰さまで梓姉と私 共々に元気で暮らさせていただいています。」


玉井

「大蔵の遺言だから仕方ないが…

君達姉弟との縁は大切にしたかったんだがね。」


隆史

「大蔵兄さんは、それは それは お優しい方だったですからね。 

姉貴も幸せな時間を過ごせたと有り難く思っています。」


玉井

「いや、勿体無い言葉だよ。

戸籍はもう外れたが、これからも何か有れば訪ねて来なさい。 

悪いようには しないよ。」


隆史

「こちらこそ勿体無いお言葉有難うございます。

それで今日は折り入って玉井組長にお考えをお聞きしたくて…… 」


玉井

「隆史さん…玉井組は もう解散したんで…

組長と呼ぶのは…止めてくれよ。」


隆史

「はい…では玉井さん…いえ伯父さん…」


玉井

「伯父さん…は良いね。親近感が涌くよ。」


隆史

「伯父さん…こんな話をして…怒られても仕方ないんですが…川崎組から私にスカウトの話が来まして……。」


玉井

「そうか…隆史君にそういう話がな…」


隆史は玉井が怒らずに話を聞いてくれて有り難く思った。


玉井

「老婆心ながら隆史君に言っておこう。

ワシ等は任侠の世界で生きてきたからな…

どこかで隆史君の事を悪く言う奴が出てくるかもしれん。

きっとワシ等の年代の者は一度は口にするだろう。

その時に隆史君がちゃんと啖呵を切れれば良いがな…。

そして川崎組の中にも隆史君の事を悪く言う者がいるかもしれん…

どうだ? それでも大丈夫か?」


隆史

「伯父さん…そうですよね。 助言ありがとうございます。」


玉井

「うむ、なあに結論を急ぐ事は無いさ。 ゆっくり考えて決めれば良いよ。 

君や君を取り巻く人達の人生や危険度も決まるからな。」


……………………………………………………


☆『いくつもの喜びと悲しみを越えて…夜の男と夜の女が どこらかともなく集ってくる憩いの店。 そして見惚れるくらいのダンスを見せてくれるのは…

《東京スピンドール》だけ♡』☆

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