第2話 姉さんの眼は……

安藤

「若…すみません。もしもお気に触ったら謝ります。

小岩井町の《止まり木》の梓姉さんって…若の実のお姉さんなんですか?」


隆史

「ああ…死んだお袋と前の旦那の子供で実の姉弟さ。

それで姉さんには一生頭が上がらない事件があってな…」


安藤

「そうなんですね。若…話したく無ければ良いですよ。」


隆史

「いや…これからも姉さんに会いに行く事があるだろうから…知っといてくれ。

ある日…俺がドジをやってヤクザに殺されそうになった事があってな…

その時に姉さんが身体を張って俺を守ってくれたんだ。 その時に眼をな…。」


安藤

「そうなんですね。お姉さんって凄い女性なんですね…。」


隆史

「ああ…俺の何倍も勇気があって、

それこそ竹を割ったような性格さ。

女にしとくのが勿体無いよ。」


……………………………………………………………

その頃『東京スピンドール』では大変な事件が起こっていた!


隆史が『スピンドール』に着くと数人のウェイター達が腹から血を流して呻(うめ)いていた!


隆史

「おい!サブ!どうした!誰にやられた!」


サブ

「若!すみません! いきなり若い男が日本刀を持って切りつけてきやがったんで!」


隆史

「わかった!喋るな!傷が開くぞ!

直ぐに救急車(くるま)を呼んでやるからな!

しっかりしろ!」


隆史は泣いているホステスに救急の電話をするように言うと、奥のオーナー室に走った!


隆史の不吉な予感は的中した! 

義理のお父さんの極楽オーナーが大量の血を流して倒れていた!


隆史

「親父!一体誰にやられたんだ!… 」


極楽

「隆史…!良いか!…熊井組の若い衆だ!

自分の事を《ケン》とか名乗ってた! 

俺はもうダメだ!…後を頼むぞ!… 」


そう言って極楽は絶命した!


隆史

「クソッ!熊井組の奴ら…許さんぞ!」


隆史はオーナー室を出ると…おそらく極楽をかばったであろう…梶崎の遺体も見えた!


隆史

「野郎!ナメやがって!… 」


……………………………………………………………

隆史は駆けつけてきた警察官らの尋問を終えて、安藤の運転で小岩井町の《止まり木》という梓姉さんの店に報告に来た!


梓姉さん

「タカ……どうした?」


隆史

「親父が! 親父が……!」


姉さん

「極楽が?! どうした……!」

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