96話:拷問
「ウォッホホ。いいぞぉ、その抵抗する感じ。そんな坊やを“わからせる”のがオレの趣味なんだ」
――
ビクともしないボスは余裕のたっぷりの表情。
ボクは軽く苦虫を潰すも、コレで打つ手無しになった訳でもない。
(首が駄目なら、
テコの原理で脳を揺らし、
「無駄無駄~!! この
(駄目だッ、脂肪が多過ぎて衝撃が吸収される!! どれだけ太ればこうなるんだ!?)
首締めが効かなかった時点で多少は覚悟していたが、顎を揺らそうにもダルンダルンの脂肪が文字通りの分厚い障壁になっている。
何か“
「コレで諦めがついたか? 自分の立場を理解したなら、そろそろオレと遊ぼうか」
「悪いけど、ここにはシャワーを浴びに来ただけなんだ。おじさんと遊ぶつもりは無いよ」
「ウォッホホ、まだ諦めていない、と。生意気な糞ガキだが……いいぞぉ~、それも凄くいい。そんな生意気な糞ガキを、大人の力で屈服させるのが最高の快感なんだ。――おぉっと、鎖を離しちまった。コレは油断したな~」
「……何のつもり?」
先の言葉通り、ボクの足に繋がった鎖を彼が手放した。
それを再び手にする様子も無く、既に見飽きたニヤニヤ顔をこちらに向ける。
「“わからせかくれんぼだ”だ。オレが鬼で、坊やが隠れろ。見つけたらその場で犯してやる」
「はぁ、それは斬新なかくれんぼだね。でも、やりたくないから他のゲームにしない?」
「まぁそう言うな、生意気な糞ガキには大好評のゲームだ。こう見えてもオレは意外と動けるタイプでな、少し疲れるが付き合ってやる」
聞く耳は持たず、ボスは続けて脂肪の垂れる両手を広げる。
「かくれんぼのエリアはこの家のみだ。外に出られる造りでもないが、万が一出たら坊やの
「わかってるよ。ちなみに、どうやったらボクの勝ちになるの?」
「ウォッホホ、面白いことを言うじゃないか。生憎だが坊やの勝ちは無い。オレが見つけて坊やを犯すまで続くんだ」
「……なるほど」
「隠れる時間は1分。それじゃあ“わからせかくれんぼ”スタート!!」
有無を言わさぬ“かくれんぼ”が開幕。
ボスは両手で顔を覆い、「い~ち、に~い、さ~ん」と律儀に数え始めた。
これだけ聞くとほのぼのした遊びの一幕に思えるやり取りだが、生憎とここには絶対に負けられない戦いがある。
まぁ元より負けるつもりも無いし、かくれんぼだからと言って律儀に隠れてやるつもりもない。
(どのみちこの音で大方の位置はバレるし、逃げたところでここからは出られない)
ならばこそ、ボクがやるべきことは1つ。
強制的に肉体関係を迫るようなゴミクズ野郎に、手加減する必要は無い。
「ごじゅうはち、ごじゅうきゅ~、ろくじゅう~!! さぁ、坊やは何処に隠れたかな~?」
1分をきちんと数え終わり、両手を退けて開いたボスの右目に。
跳躍から――“太い釘を突き刺す”!!
「ギャァァアアアア!!??」
まずは右目を潰した。
流石に眼球までは脂肪の防御壁も無効らしい。
ボスは右目の周りを手で押さえつつ、ドクドクと血を流しながら残った左目でこちらを睨む。
「テメェッ、この糞ガキがァァアアッ!!」
「まぁまぁ、そんな怒らなくてもいいでしょ。部下に
「調子乗ってんじゃねーぞボケェ!! マジで犯すッ、壊れて動けなくなるまで犯し続けてやる!!」
「はぁ~。おじさんさー、下半身でしか物事考えられないの? それも自分より弱い立場の相手を一方的にとか……正直終わってるよね、人として」
「ッ~~!!」
ボス、激昂。
右目から釘を引き抜き、血を流しながらその釘をボク目掛けて振るう。
「うらぁッ!!」
自分で「意外と動けるタイプ」と言っていた通り、思ったよりも素早い動きでちょっと驚いたけれど、所詮はたかが知れている。
当然の様に避けつつ、彼の左足に“太い釘を突き刺した”。
「ギャァァアアアア!!??」
再びの悲鳴。
脂肪にも神経は通っている為、いくら分厚かろうと釘を刺されたら痛いに決まっている。
打撃が効かないだけで攻撃方法はいくらでもあるし、その攻撃を方法を予めて用意してくれていたのはボスの方だ。
そのご厚意に甘んじて、遠慮なく「鉄鎚」を手に取り。
先ほど左足に突き刺した釘を、叩く。
「ッァァァァアアアア~~!!??」
激痛に悶え、ボスが右目から引き抜いた釘を落とした。
これは丁度いいと、拾ったその釘を彼の腹に突き刺す!!
「ギャァァアアアア!!??」
更に、
「ッァァァァアアアア~~!!??」
続けて右足、それから二の腕。
その後はわき腹、太腿と、ボクは順番に釘を刺し続けた。
――その間、絶え間なく響くは聞き苦しいボスの野太い悲鳴。
もう少しこの大工仕事を続けたかったけれど、あまりにも聞くに堪えない声だったので一旦“休憩”だ。
「ねぇ、おじさん。このまま左目を潰してもいいんだけど、せっかくだからチャンスをあげるよ」
「ぜぇ、ぜぇ……チャンス、だと?」
「うん。
「……調子に乗るなよ糞ガキが、大人を舐めてるとギャァァアアアア!!??」
ダルンダルンの腹の再び釘を突き刺す。
既にボスの身体は幾つもの個所から血が流れているけれど、これまで彼が“流させた血”はこんな量ではないだろう。
だからと言って、ボクに血を流させる権利があるとも言わないけれど、無いとも言われていないので罪悪感は全く感じない。
「おじさんって、贅肉が多くて刺し放題だね。……そう言えば、脂肪って何で贅肉って言うんだろうね、贅沢した人に付く肉だからかな」
「ぐッ……そっ、そんなのオレが知るかよ!!」
「そう、残念。まぁ別にどうでもいいんだけど……それよりも。あと何回その身体に釘を刺したら、
「い、言えない!! お前をここから出すなと言われてるんだ!!」
「へぇ~、それは誰に?」
「それも言えない!!」
更に、
「ギャァァァァアアアア~~ッ!!??」
「こうやって釘を突き刺したままさ、グリグリ回すと気絶するほど痛いって知ってる? ただ突き刺されるよりも、中の肉が
「ッァァァァアアアア~~!!??」
悲鳴に次ぐ悲鳴に次ぐ更なる悲鳴の連続。
ここまでの拷問を受けてまだ意識を保っているのは、正直言ってボクの想定外。
(この人、無駄に我慢強いな。その強さを別の方向に向けたら良かったのに……)
でも、もう遅い。
ボスは一線を大きく踏み外していた。
誰が決めた訳でもないボクの物差しでしかないけれど、彼は人間の形をした紛れもないゴミだ。
情報源にすらなり得ないのなら、ここで殺すのが最善手。
(少なくとも、この家で何かやれば
殺す覚悟も必要無い。
無表情のまま、彼の顔面に左手を添える。
「な、何をするつもりだ!?」
「安心して、これが最後だから」
“爆炎――”
「ッ~~!! わかったッ、教える!! 教えるからこれ以上は辞めてくれぇぇええ~~!!」
ボクを前に、己が死を悟ったのだろう。
限界に近い痛みに耐えた彼だったが、それでも自身の死には耐えられなかった。
―――――――――
*あとがき
「更新頑張れ」と思って頂いたら、作品の「フォロー」や「☆☆☆評価」もよろしくお願いします。1つでも「フォロー」や「☆」が増えると大変励みになりますので。
また、お時間ある方は筆者別作品「🍓ロリ巨乳の幼馴染み(ハーレム+百合*挿絵あり)/🌏異世界アップデート(純愛物*挿絵あり)/🦊1000階旅館(ほのぼの日常*挿絵あり)」も是非。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます