認めない

エリー.ファー

認めない

 検索だ。

 検索するしかない。

 とにかく、検索して。

 そう、検索して。

 どうにかして。

 悪い所を探すしかない。

 武器を見つけるしかない。

 相手の弱点を見つけて、執拗に突くしかない。

 倒すしかない。

 勝つしかない。




「認めないぞ」

「絶対に、認めない」

「ここで、戦って勝つんだ」

「こんなもの、認めない」

「認めない方が楽だ」

「認めないことで満足できるんだ」

「認めないぞ。絶対に認めるもんか」

「認めないことでプライドを守るぞ」

「認めないからこそ、生きやすくなる」

「俺も認めないし、お前らも絶対に認めるなよ」

「とにかく認めるなって」

「認めないための理論武装だったら、こっちはできてるんだからな。分かったか」




「頼む、ぶっ殺してくれ」

「分かってる」

「もう、死にたいんだ」

「分かってるから、喋るな」

「天国に行けるといいな」

「天国に行けるわけないだろ」

「じゃあ、地獄か」

「地獄でもない」

「だったら、どこだ」

「どこだと思う」

「分からない。分からないよ」




「認めてはいけない」

「どうにかしなければならない」




 地球の形を理解するために、私たちは多くの知識を得ようとしています。けれど、忘れるために夢を見るしかないのです。春を忘れて、夏に気付き、秋を見て、冬を抱きしめる。そのうち、私たちは地形を理解し始める。構造上の問題ではない。ありふれた社会問題へのアプローチを認める必要があると思います。関係性とは、無色透明でなければなりません。五十音だけでは語れない思い出を、幾つ抱えて生きていくことができるのか。

 すべては、そこに込められています。

 理解できますか。




「夕暮れと爆弾処理に時間をかける」




「多くの問題は、闇に溶け込むために必要です」




「映画館に死体を置いてくれませんか」

「腐りかけでもいいなら大丈夫ですよ」




「凍えて死ね」

「死体になってくれ」

「嫌がる前に死について考えるべきでしょう」




「最も素敵な世界でありたい」

「球体を許せますか」

「何の話ですか」

「あなたは、何を求めているのですか」




「攻略本が面白い」

「なんのゲームの攻略本なの」

「なんだったか忘れちゃった」

「じゃあ、読めないよ」

「ごめんね」

「ううん、いいよ」

「ありがとう」

「いえいえ」




「地球が滅亡するそうです」

「火星と金星の間の話ですよね」

「ブラックホールですか」

「いいえ、宇宙です」

「星々」




「怒りにソースをかけて食べるのは如何ですか」

「醤油でもいいですよね」

「塩ですか」

「いいえ、違います」

「発想力の勝利です」

「発想威力とは何ですか」

「発想力です」

「発症力とは何ですか」

「次、聞き間違えたらぶっ殺すぞ」




 元通りにならない物語ほど価値があり、多くの人間を傷つけながら才能を優先して突き進みます。残念ながら事実だけが横たわり、権力と努力に付加されていたはずのすべては剥がれて落ちていきます。

 さようなら、神様に憧れた人間。

 さようなら、泣き顔のマネキン。

 さようなら、さようなら、さようなら。




「夢を見ますか」

「はい」

「夢を見ますか」

「いいえ」

「夢を見ますか」

「今、見ているような心地です」

「夢を見たいですか」

「もしも、可能なら。そして、あなたと一緒なら」

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