第18話

回復アイテムを補充していると


チャットが届いた


「ダンスの先生が体調不良で来れなくなって、これから時間が空いたんだが僕に着いてくるかい?」

ライからだ


(言い方がなんか嫌だけどライが居れば)


「これからライが来れるって」


「ライさんが来てくれれば楽になりそうですね」


「あいつ苦手なんだよねー、最悪壁にしよ」


「じゃあライを呼ぶよ」

苦笑いしながらチャットでライを呼んだ


数分待つとライが現れた

「待ったかい?」


「全然待ってないぞ、今日はこの4人でリッチを倒したいんだ」


「富豪なんて倒せるものじゃないぞ!」


「裕福な方のリッチじゃないの!」

リサのキレのあるツッコミが刺さる


「ムビリには行けますか?」


「1度行ってワープは解放してあるが何があるかは分からないな」



アイト、リサ、セラの3人は顔を見合わせ

「ライはクエスト受けてないの?」


「クエストなんかあるのかい?」

何も知らないようだ


3人はムビリでの出来事を説明した


「ほぅ、薬屋のオババからクエストを貰うと、

そのついでに回復アイテムも貰ってくれば良いという事だな」


「「「行ってらっしゃい」」」

3人はライをムビリへ送り出した


数分もすれば帰ってくるだろう、そう考えていたのが間違いだった


「すまぬ、捕まってしまった」

そうチャットが届いた3人はため息をついた


「なんで捕まっちゃうのかしら」

「予定が変わってきました」


「しかなたいライ救出作戦を開始する!」

アイトの言葉で3人はムビリへワープする


ムビリにワープすると縄でグルグル巻きにされたライが村人達に抱えられてどこかへ連れ去られている最中だった



「あそこにライさんがいます」

木の影に隠れながらようすをうかがう


「アレがどうなるのかむしろ見届けたいあたしが居るわ」


「あえて今は助けずにリッチの場所まで案内してもらってから隙を見て助けよう」


「そうしましょう」


ライはもう諦めている様子だ

「あぁ父上母上、先に逝く事をお許しください」

目が死んでいる


「あれダイジョブなの?」

リサが少し心配そうにするが


「・・・・・・わかんない」

アイトはそこまで心配してはいないようだ


さらわれたライを追いかけていくと墓地が見えてきた



「気味が悪いですね」


「あたしもちょっと」

女性陣は少し怖いみたいだ


ライが墓地に入ると骸骨が現れ、村人を囲い込んだ

たとえ正気に戻っても逃がさないぞ、とでも言っているようだ

『スカル』


村人たちが墓地の奥に進むと杖を持ちローブを着た骸骨が現れる

『リッチ』


「ひぇぇ!おばけ!?ここで一生ゲーム出来ない体にされちゃうんだ」


「あいつ何言ってんのかしら」

「囚われの王子と言う設定なんだよ」

「あ~なるほど、なりきってプレイするとこは大切よね」


女性陣だけで盛り上がってるところ申し訳なく思うが


「そろそろ助けてあげよう」


「そうね、もう満足したわ」


「杖を持っているということは魔法攻撃をしてくると思いますのでライさんを盾にしましょう」


リッチ1体、スカル6体との戦闘が始まる


距離があるうちにアイトが邪炎斬を放ちスカル2体を倒す。それが戦闘の合図となり3人はライのもとへ走った

村人たちはフラフラと墓地から離れた


「やっときたか、待ちくたびれたぞ」

地面に置いて行かれたライは偉そうに3人を迎えた


「まずはスカルを倒す、リッチはそれから」

「わかってるさ、リッチは魔法攻撃をしてくると予想できる。今回はMDEFが高い僕がリッチの攻撃を引き受ける」


「最初からそのつもりです」

「はやくあっち行きなさいよ」


「え、あぁ」


「ライ」


「アイト、君しか僕の」


「がんばれ」


何か言いかけたが気にしない


リサがスカル2体をとりもちで抑えてくれている


「ブルト、クシス」

アイトのDEFとATKが上昇した

通常攻撃でスカルを攻撃すると2発で倒しきれた

(これなら)

MPを温存して戦えると思い少し余裕ができたと感じ油断してしまう


リッチが黒い魔法の矢をアイトに飛ばしてきた

距離が1メートルほどのところで気付いた

(間に合わない!)

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