第14話

フェアゲンに到着し、先程の店に行った

「鉄と銀の塊持ってきました」


「あ、さっきの兄ちゃん……」

なぜかバツが悪そうにしている


『クエストクリア』

報酬

・自分が持ってきたもの


「置いてあったやつ全部持ってきたんですけどこれで大丈夫ですか」

鉄と銀の塊を出した


「実は鉄と銀の装備の受注が無くなっちまって、要らなくなったから兄ちゃんが貰ってくれよ」


「……え?」


「だから兄ちゃんが貰ってくれって」


「と言うことは俺は歩き損をしたと言うことですか?」


「そう、なっち、まった」


「……有難くいただきます」


「す、すまん、ほんと」


「はぁ、何時間も歩くゲームそうそうないぞ」

アイトは店から離れ回復アイテムが売っている店に向かう





アイトが離れた数分後、他のプレイヤーこの店に訪れた

「ちょっと頼み事があってよ、プラトー鉱山に……」



このプレイヤーはクエストを引き受けたらしい



同じ思いをするプレイヤーが増えた事に気づかないアイトは回復アイテムを補充して1人虚しく街の外に出た



「このゲームやると少しずつストレスが溜まってる気がする」


辺りを見回すとホークが飛んでいたので


「お前に罪はないが燃やさせてもらう!」


ホークの下まで行き邪炎斬を2回放ち討伐する

ストレス発散に身を捧げたホーク程、不幸なモンスターは居ないだろう


(今日はもうずっとレベル上げをしてやる)



フェアゲンから南に進みながらホークを10体ほど倒した頃、遠くに森が見えてきた


「森が見えてきたけど一人で行くのはやめておこう」


アイトがフェアゲン側を向くと後ろから矢が飛んできて太ももを貫通させた

「うぐっ」


(なんだ!?)

横に倒れ込み右足の太ももを見ると矢が貫通している

力ずくて矢を引き抜いた


「痛覚がそのまんまだったら発狂してる自信がある」

このゲームは痛覚の感じ方が半分以下に設定されているらしい

(そんなこと言ってる場合じゃないぞ、どこから撃たれた)


倒れたまま後ろを見ると


『アーチャーゴブリン』

汚れた布を身にまとい弓を引いてアイトに狙いを定めているモンスターがいた


(まずい)

横にゴロゴロ転がって狙いをさだめさせないようにする


ドスっ

「ヒィイ!?」

アイトの目の前に矢が刺さった

(逃がさないってか)

立ち上がり剣を構える


アーチャーゴブリンは背負っている筒から矢を取り出し構える


「させるか、邪炎弾」

邪炎弾で矢を牽制しつつ接近する


ゴブリンアーチャーは横に跳んで邪炎弾を躱す

そのタイミングで

「くらえ!」

左下から右上にかけて剣で攻撃をし、アーチャーゴブリンの腕にダメージを与える


右腕が上がってしまってアイトは隙だらけだが


「邪炎弾」

左手から邪炎弾を2回放ち倒し切る。足元に治り草が落ちていた


(ゴブリンと同じアイテムが出るのか・・・・・・コスパわる)


消耗したHPとMPを回復させてホーク狩りを再開した


このあと1時間ほど狩りをしてレベルが15まで上がった


ステータス(省略)

名前 アイト

職業 邪剣士

レベル 15

HP 230

MP 230

ATK 149

DEF 47

MATK 1

MDEF 1

POW 22+10

INT 1

VIT 1

SPD 22+10


邪剣士スキル

・邪炎斬り MP50

・邪炎弾 MP50

・邪炎斬 MP70

・邪炎眼 MP60


「邪炎眼?バフスキルかな」

試しに使ってみると特に何も出てこない。自身の瞳に黒紫色の光が宿っていることにアイトは気づかない


「なんだろスキルに影響するのか?」

試しに邪炎弾を雑に使う通常より威力が上がっているように感じた


「スキルの威力を上昇させるスキルかぁ・・・・・・邪剣士好きかも」

最初は中二病がなんとか言っていた気がするが今となっては愛着が湧いているようだ


キリがいいところまでレベルが上がったため一旦フレンド欄を確認すると3人ともゲームをしているようなのでフェアゲンにワープしてからチャットで話しかけることにした

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