第13話
アイトはフェアゲンから西にホークを倒しながら3時間ほど進んだところに洞窟が見えてきた
(なんでゲームなのにこんなに歩いてんだよ)
膝に手をついて息を整える
「流石にもう昼ごはんの時間だし一旦休憩」
ゲームをやめてごはんを食べてから再びゲームを開始する
「鉱山って言っても洞窟みたい」
山と聞いて登らなきゃいけないのかと思っていたが洞窟タイプならまだマシだろうと思っている
早速洞窟に入る中は広く松明が所々置いてありとても明るい
「これ邪魔なんだけど、よくこの道歩いてるな」
アイトの目の前には岩が2つあり歩きにくく、よっこいしょと跨いで通った
「よいっしょと、これが続くと疲れるな〜」
なんて考えながら歩き始めると
ズズズ ズズズ
「ん?」
後ろから何かが動く音がした
振り向いても何もない
「気のせいか」
再び歩き始めると
ズズズ ズズズ
「流石に騙されないぞ」
振り返ると二つの岩がアイトに近づいていた
『ロックタートル』
岩から足が生えてきてアイトに襲いかかる
「やっぱりモンスター、邪炎斬」
横に剣を振り黒紫炎の斬撃を放つ
ロックタートル2体に命中するが倒しきれない
「さすがに1発じゃ無理か。じゃあ2発目」
もう一度邪炎斬を2体に命中させるとロックタートルは消滅した
「岩に擬態するモンスターもいるのか、森エリアがあったら絶対めんどくさいモンスター出るの確定」
ロックタートルはアイテムを落とさなかったのでこのまま先に進む
歩きながらMPを回復し、洞窟の壁が本物の岩のように再現されている事に驚く
「うおぉ、岩だ」
壁をペタペタ触るとひんやりとした岩の感触が伝わってきた
「ここまでリアルに再現出来てくるとゲーム依存性になりそう……ん?」
ゴゴゴゴゴゴ!と何かが迫ってくる音が聞こえる
(良くあるゲームやアニメでは大きな岩や丸太が転がってきたりするけどここは鉱山だからそんな事は無いはず)
だんだんと音が近ずいてくる
(大丈夫なはず)
音が大きくなってくるとロックタートル6体が転がってきた(横3体縦2体)
「なんでお前ら転がってんだよ!?」
周囲を見渡すが避けられるスペースはない、ジャンプして避けられるとは思えない
「自分が通れる場所だけ作る!」
邪炎斬を2回放ち真ん中の列2体を討伐し、気をつけの状態でやり過ごす
(ダサい避け方)
止まれなさそうなスピードだったため残りのロックタートルはどうなるのかと気になったが何も考えないことにした
足元には
・硬い甲羅
ドロップアイテムがあった
甲羅の装備は色んなゲームで登場するため多く確保しておきたい所だ
少し歩くと道が二手に別れた
「ここに来て分かれ道か、うーん」
悩んでも解決しないためひとまずは左に行くことにした
少し進むとロックタートルが1体いたので討伐する
「行き止まり。なんで2択を外すかな」
壁をペチペチ触っても何か仕掛けがあるとは思えなかったため引き返した
先程の分かれ道を右に進むとフェアゲンで見た金属の塊が沢山置いてあった
「これだな」
金属の塊をタップすると鉄と銀の塊だったのでアイテムに収納して帰ることにした
「あれ?ワープできない」
マップを開きワープしようとするが反応しない
「鉱山から出ないとダメっぽいかー、仕方ない歩こ」
ワープが使えないエリアもあるようだ
歩いてばかりで全然ファンタジーしてないと感じダルそうにトボトボ歩く
「いや待て、逆に考えよう。ここで硬い甲羅を沢山確保しておいて新しい装備を作る!これこそRPGの醍醐味じゃん、そうと決まればロックな亀を狩り尽くすぞ」
それから30分程リポップしたロックタートルを倒し続けた
※リポップとは倒されたモンスターが出現し直す事
「回復アイテムが少なくなってきたからそろそろやめるか」
硬い甲羅が10個手に入り、レベルが12になった
鉱山から出るとワープが使えるようになっていたためフェアゲンまでワープした
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