第11話

「まかせてくださいよ」

アイトが引き受けるとおばあちゃんは顔が少し明るくなったが


「ほんとかい?アイツは危険なモンスターだ、危険だと思ったらスグに逃げなさい」


おばあちゃんは木の椅子を取り出し座り込んだ


「この村から東に行った所にセテーリ墓地があるんだけど、そこに強力なモンスター、リッチが住み着いてこの村の住人を操り、外から来た人を自分の餌にしようとしてるの、リッチを倒さない限りこの村に平和は訪れないわ」


(強力なモンスターって事はボスモンスターだな、とりあえず今日は始まりの町周辺で回復アイテムを採集でもするか)


「仲間を集めてリッチを討伐してきます、では」

外に出ようとすると


「いいかい?この村は危険なの外に出るなら立ち止まらず始まりの町に戻りなさい、リッチに操られた住民に捕まってしまうわ」


(逃げないといけないイベントっぽい)

「分かりました」


アイトは家から出て始まりの町にワープしようとすると多くの視線を感じた

(村人達がめっちゃこっちみてくる、はやく移動しよ)

ここで違和感を感じる


(そういえば空が暗いな、夜の演出かな)

日が沈み夜になっていた

村の入口で出会った男が話しかけてきた。待ち伏せでもしてたようだ


「兄ちゃん兄ちゃん、もう遅い時間だしよ俺の家に泊まっていけよ」


(キャッチのお兄さんみたいに引き止めてくるじゃん)

「俺この後予定があるので、じゃ」

スッと横を抜けてマップを開こうとするが


「まぁまぁ待ってくれよ」

男は回り込んできた


(しつこいタイプだなこれ)

「な、なんですか」


「村の外はモンスターがいっぱいで危ないからさ、朝まで泊まっていくほうが安全なんだって」


(いや多分このまま泊まったら生贄確定じゃないすか)

「今日は帰りますって」


「仕方ない」


アイトは気にせずマップを開きワープボタンをタップしようとすると


「おい!全員!こいつを捕まえろ!」


(ん!?)


村人がワラワラと出てきてアイトを捕まえようと走ってきた


「マジかよ・・・・・・逃げよ」


村の外まで走って逃げた


「ここまで来ればどうだ」


村人たちは外に来ないようだ


「急いで始まりの町に戻ろ」


始まりの町までワープした


始まりの町に着くと空は明るくなっていた

(空が明るい、暗くなるのはイベント状態って感じっぽい)

他のプレイヤーも少なくパーティープレイでセテーリ墓地のモンスターに挑めなさそうなので今日はゲームをやめることにした


「ふぅ〜」

現実世界に戻ってきた拓斗はスマホでATOについて調べてみた


プレイヤー数が5000万人を超えた大人気ゲームとして注目を集めているらしい


「お、これは」

動画サイトで『現実でスキル使えるか試してみた!』なんて動画があったが見ないようにした


「現実でスキル使えないって、当たり前じゃん」

自分が使えなかったからね


数十分スマホで動画を見た後、雑にサラダを大量に食べて就寝した



翌日朝6時に目が覚めた

朝ごはんを食べる前に歯を磨く

(ゲームしたすぎて珍しく早起きしてしまった)


効率的に歯磨きから朝食、そしてゲームまでスムーズに辿り着く


「よし、始めるか」


ゲームの世界に入った


「今日はどうしようかな」

フレンド欄を確認するが三人とも名前が灰色になっておりゲームをしていないようだ


「セテーリ墓地は多分ボスがいるから行かないとして、きのうNPCが言ってたフェアゲンに行ってみようかな」


ムビリから南に離れたところにあるみたいだ


「また歩かないと・・・・・・いや待て確か馬車があるって言ってたような、ムビリにワープしたあとダッシュで村から離れてムビリからファゲンに行く馬車を見つけて乗せてもらう。うん良いアイデア」


そうと決まれば行動開始だマップを開きムビリにワープすると空は明るかった

(村に入ってクエストを受けると空が暗くなるのか)

なんて考える時間はない、急いで村から離れる

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