第7話

「はぁはぁはぁ、疲れたでごわす」

膝に手をついて肩で呼吸をする


「興奮しすぎた、ごめんごめん」

アイトは頭をかきながら恥ずかしそうに謝った


「気にしなくていいでごわすよ。リサチャンとセラチャンは装備の強化はするでごわすか?」


「一応調べてもらいたいです」

「今素材が無くても調べてから取りに行けば良いもんね」


セラは旅人のステッキを外し、ゴンに渡した


「旅人シリーズは治り草と元気で草が1つずつあれば強化出来るでごわすぞ」


町で買えるアイテムで強化できるコスパの良い装備らしい

「どうする?回復アイテムちょうど全部使うことになるけど」


「さっきお金が手に入ったから手持ちの治り草と元気で草は使おうよ」


2人は装備を全て外しゴンに預け装備を強化してもらった

途中ゴンのMPが足りなくなり元気で草を何度も食べていた

・蔦の短剣(リサ用)ATK20 SPD2

・蔦のステッキ(セラ用)MATK20 INT2

・蔦のコート(リサ用)DEF13 INT1 SPD1

・蔦のローブ(セラ用)DEF13 INT1 SPD1

・蔦のブーツ DEF6 INT1 SPD1

・蔦のズボン DEF6 INT1 SPD1

・蔦のお守り DEF6 INT1 SPD1


素朴だった装備に植物の蔦が巻き付いてファンタジーちっくになった


「チョーかわいい!」

リサは早速装着し、クルクル回ってた


「もっと強化していくと世界樹とかあったり・・・」

涎が出るのを我慢しているようだ


二人とも装備が強くなっていくのを見てワクワクが抑えられないらしい


「喜んでもらえてよかったでごわす、これからも3人はタダでいいでごわすから何時でもきてほしいでごわすよ」

鍛冶師や他の戦闘を得意としない職業は生産職と呼ばれる。生産職は自身で素材を手に入れる能力が低いためお金を得るのが難しいため、プレイヤーにアイテムを提供し、対価にお金を得る



「この後はみんなどうするでごわすか?」


「そうね・・・特に決めてないわね」


後ろで他のプレイヤーが疲れた様子で広場を通りどこかの店に行くようだ


「流石に5人居たとはいえレベル3じゃ勝てなかったなー」

「草原の奥にいたから弱いと思って油断したけど次は全員がレベル5になったら挑戦しようぜ」

「そうだな、あれは多分ボスっぽいし、ドロップアイテムも気になるからな」


なんて話しながら歩いているプレイヤーの声が聞こえた

3人はお互いの顔を見合わせ


「あの人たちの言ってたモンスターが気になるから挑戦してみるのはどう?」


「良いわね、あたしも動き足りなかったの」


「私も強敵と戦うのが楽しみです」

セラは強いモンスターと戦うのがクセになってきたようだ


「じゃあ決まりでごわすか、いい素材が出たらまた来てごわすよー」


「またよろしく頼むよ」


「ゴンさんありがとうございました」


「またねー」


3人はゴンに別れを告げ最初に居た草原に向かうことにした

ゴブリン数体と戦闘をした。10のアイトとレベル7のリサセラの相手にはならなかったようだ


しばらく歩くと最初の草原に到着、周りには特に目立ったモンスターは居ない

改めて周囲を見渡すと南側に花畑がる事に気付いた


「見てください!綺麗な花畑ですっ」

遠くに見える花畑は黄色の絨毯のようだ


花畑の端っこに1人杖を持った男性プレイヤーが居た


「あぁ、やっぱり僕の方が美しい」

男性プレイヤーは花を指で挟み、何かを呟いていた

指に挟んだ花をむしり取り、鼻にくっ付け

(クンクンクンクンクンクンクン)

「まぁまぁだね、ここら辺には僕より美しいものは無いみたいだ」


「あれ?こんな所にプレイヤー?」

リサが男性プレイヤーに気づいた


「確かこの辺にボスモンスターが居るから呑気に観光なんて…」

アイトが男性プレイヤーを見ていると


男性プレイヤーはグリン!っと首を動かしアイト達を見た

「ミツケタァ」

花を投げ捨てアイトたちに向かって走ってきた


「へんなのきました!」

「ヒッィ!」

「なんなのあれ!?」

男性プレイヤーはアイトたちの前に立ち

「君たち、ここにいるボスを倒しに来たんだろ?」


「「「へ?」」」


「2度も言わせないでおくれ、ボスを倒しに来たのかい?と聞いているのだよ」


こいつはモンスターじゃないと3人は判断することが出来た


「そうなんだ、ここら辺にボスモンスターが居るって聞いて来てみたんだけど…どちら様ですか?」

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