第2話それって……犯罪?
西村は5月130時間残業した。ブラックもいいところである。西村は頭で計算して、今月の給料は手取り37万円とはじき出した。
給料日、明細を確認すると振り込み額は27万円だった。
係長の岩田が、1ヵ月80時間以内じゃないと労基や組合がうるさいから、来月、残りの残業代は付けてやると、苦し紛れの言い訳をする?6月は125時間残業だった。
どの月も80時間以内で帰れた月はない。ある日、残業を夜中までして、事務所のお局様のパソコンを開くと驚きの事実が判明。
8時5時で帰宅するお局様の残業が97時間あったのだ。そして、その残業代は西村や市山の残業時間削り自分に付けていたのだ。
これって、業務上横領じゃないの?
西村はこれをコピーし、森安ら後輩に配り、自身の残業時間をメモするように命じた。
タイムカードのメモだ。
しかし、天野や岩田は偽造してウソの残業を申告し続けた。
ある日、西村は市山と労働基準監督署へ向かい全てを話したが、担当者から、
「またですか?お宅の会社は訴えが多くてね。会社ぐるみで偽造するから尻尾が掴めないんですよ」
「それが、あなた方の仕事でしょうが!」
と、西村が言うと、
「今度、抜き打ちしますんで」
と、帰された。
あのクソババアは、だらだら仕事して時間を潰し、現場の人間の残業代を横領し、今夜も係長と飲んでいる。
しかし、お局様の犯罪はこれだけではなかった。
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