第3話 貢物


『あー、聞こえるかな?もしもーし』

「聞こえるわい!ここに落としてくれればよかっただろ?」

『悪かったのう、座標を間違えてしもてな』

「で?なんのようだ?」

『さっそくで悪いが苺大福が食べたくてのぉ、ほれネットスーパーで買ってくれんか?』

「金は俺持ちかよ、で?どうやって使うんだ?」

『それはネットスーパーと念じると画面が出てきますよね?そこに金貨や銀貨を入れると日本円に変わるのでそれで買って下さい。それと、創造魔法で神様の像を小さくていいんで作って下さい。そこでお供えしたらこちらにくるので!』

 神様の横にいた女の天使が早口で答える。

「まずは創造っと」

手のひらに収まるくらいの神様の像を作ってテーブルに置くと、ネットスーパーを考えると画面が出てきたのでそこに金貨一枚入れてみると残高が十二万になっていた。すげーな金貨!

 まぁこれで和菓子コーナーで苺大福だけじゃつまらんだろうと色々買って送るを押したら段ボールで届いた。

 このままでいいだろうと神様の前に置いて祈ったら無くなっていた。

『こら。みたらしはわしのじゃー!』

『あっ、ありがとうございますね、じゃあ』


 これ毎回やるのかよ?しんどいけど、まぁいっか!てか、俺を売ったやつに天罰与えてもらうの忘れてたわ!


 っと、今回はこっちの食事を食べてみよう。

下に行くとガヤガヤとうるさいが空いてる席に座って待っていると、女将が来て、

「呼ばないと来ないよ」

「あ、すいません」

「定食でいいね?」

「はい」

 待っていると出てきた定食が山盛りだった。

「こんなに食えないっす」

「あんた細いからガンガン食べなよ!」

「は、は、い」

 とりあえず食うと美味え!なんの肉かわからないけど美味えなぁ。パンも柔らかいし良いねぇ。量は少し…いやだいぶ多いけどな。

 アイテムボックスに少し入れて量を減らす。

 なんとか食べきっておかみさんのところに待っていくと。銀貨一枚だったので良心的だな。

「あんたもなかなか食べるじゃないか!」

「もうあの量は勘弁です」

「あははは。今日はサービスだよ」

「よかった」

 本当に良かった、あれが毎日だと思うと宿を変えるしかなくなるからな。あっ!

「ここって荷馬車も預かってもらえますか?」

「銀貨2枚で預かるけど」

「じゃあ明日持ってきます」

「へぇ。若いのに荷馬車持ってるのかい!やるね!」

 背中を叩くのはやめてほしい。出てしまいそうだ。

 なんとか部屋に帰り、今日のことを考えてみる。

 濃い一日だったなぁ!売り飛ばされてきたのが異世界って、しかも目的が神様のお供えとかマジ最悪なんだけど。

 まぁ、色々つけてくれたし良いっちゃ良いけどさ。

 なんて考えてたら寝ていたようだ。


 次の日の朝から下に朝飯を食べにいく。

 シチューに硬いパンにミルクだった。

 硬いパンはシチューに浸すと美味かった。

 食い終わったら、門まで行く。昨日の荷馬車を返してもらいどこにいるのか聞かれたから錆猫の居眠り亭と答えといた。

 報奨金の事だろうな。

 今は剣と短剣を腰につけて革鎧を着ている。動きやすくてちょうど良い。

 宿屋に預けてお金を払う。


 暇なのでまた他の中をブラブラする。

 品物を見て回ると塩が安くて砂糖がまあまあかな、胡椒もたかいから商売なら砂糖かな?なんて考えさえてるとギルドに来てしまった。別に用はないけど見てみるか。

 依頼を見てみると昨日倒したやつなんかもかしっかり載っていたので、もらい損したな。まぁまだ懐もあったかいしべつに何をするわけもなく、ギルドから出てブラブラしている。

「ちょっと待ちな小僧」

「ん?俺?」

「他に誰がいんだよ?こっちこい」

 路地裏に連れてかれた。

「お前が昨日殺したのは俺の兄貴だ!」

「どの人の事?盗賊だよね」

「あぁ、そうだよ!俺の兄貴は盗賊のかしらだったんだ」

「へぇ、じゃあ最初に殺した人か」

「クッ!テメェは人殺しといて何にも思わねえのかよ!」

「いや、盗賊に言われてもねぇ」

「おい!やっちまえ!」

「「「へい!」」」

「よっとっはっ」

 とりあえず取り巻きは片付けたが。

「ひ、人殺し!衛兵さん助けてくれ!」

「な、なんだ!なんてことをしてくれたんだ!」

 衛兵もグルかな?

 死んでないのに死んだふりをしてるこいつらも凄いな。

「グエっ」

「「え?」」

「殺してませんけど?それよりも衛兵さんもグルですよね?」

「い、いや。私はたまたまいただけで」

「普通死んでるか確認するし、まぁ臭い芝居ですしね」

「な、なにを!この野郎」

 衛兵も転がして置くと、今度は本当の衛兵が現れた。

「何やってんだ!」

「やべっ!」

「そいつを捕まえて!」

 捕まったそいつと衛兵、後の三人は口を割らないらしい。

「昨日の出来事で俺を逆恨みしてきた冒険者とその仲間らしいですよ」

 と説明する。

「どこかと繋がっていると思ったら」

 んー、もうちょい調べればまだ出てきそうなのになぁ。

 まぁ、俺には関係ないけどね。


 外に出てまた街をブラブラしている。創造で敵意感知を作った。マップにひょうじされるが赤が一箇所に集まってるな?

 さっきのところに戻って敵のアジトが分かったと伝えると全員で行くことになった。


 

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