第一話 6-6
10年の支給期間満了後、ネイアが長老に就任せず権利を放棄する場合、以後は年間200ギルダールの生活保証年金が終生、フォレスト商会が存続する限り支払われること。
長老に就任した場合、最初の五年間は非就任時の金額が据え置きのまま、5年後に年金を1000ギルダール、本給を3000ギルダールに増額する。その際、権利者として保証金として7000ギルダールを商会に納めること。
以後は5年ごとに同額の保証金を納め、年金も長老として在籍する限り支払いは続く。
「…でと、言うことはもし仮に私が今、長老になったら5年後にはもらった年金は全て無くなる上に、俸給がかなり削られるんじゃなくって?」
「そのとおりです、ネイア。御明察でいらっしゃる」
やや意味深にアルベルトの口元が歪み、うっすら笑みを浮かべる。
「つまり、それだけの旨味が我がフォレスト商会、長老の座にあると言うことですよ」
「……だとしても、まだ若い私にどれだけの利益が上げられると?例え、十年後の就任としても冗談が過ぎるってものだわ」
全くもって馬鹿馬鹿しい。たかだか3000の俸給で五年間も、『あの』長老達に混ざっと仕事するなど、とてもじゃないが精神的に耐えられる自信が、ネイアにはなかった。
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