第一話 2-4

 かたやアンジェリカは少し小柄で、全体的にふくよかな丸みを帯びた体つき。それでいて太っていると言う印象を与えない絶妙なバランス。美しく染め上げられたような赤毛は、柔和で優しい顔立ちに明るい彩りを加える。手入れ不足なのか、やや癖のある前髪が何故か好印象を与えている様に見える。


 確かに、この2人が並んで立つとネイアのほうが年上に見えなくもない。そして何より、アンジェリカは極めて不器用でいて尚且つ、ずぼら。

 何もないところでも自身の身に纏うローブの端を踏んで、転んでしまうような危うさ、鈍くささを持っていた。

 朝は弱い。掃除や洗濯、身の回りの整理整頓もろくにできない。そんなアンジェリカに振り回されっぱなしだったネイアも、同室となって1年余り。すっかり慣らされてしまっていた。

 

(ほんと、できの悪い妹を持った気分)


 そう思いながらもともと、本人はある意味無自覚ながら、世話好きな一面を持つネイアは、やや持て余しながらも彼女のことを好ましく思っている。


 元来、ネイアはそういった気質から同性の間では人気も人望も高かった。

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