悪夢

 この話は二〇二一年の夏に見た、私自身ですら理解ができない夢の話である。あんまりに気にしていなかった(普通の日常の一部としてとらえていた)ため、あの夢を見たのが平日たっだのか休日だったのか、どっちだったのかは全く覚えていないのだが。とにかく、ある日の夜に寝て、翌朝に目が覚めた時に見た夢である。

 私が今、自宅(実家兼自宅)として住んでいる団地が舞台で、見知らぬ成人女性二名が自宅のベランダにたたずんでおり、ただひたすら無言で自宅の中を見つめ続けている──というシンプルな内容の夢だった。ちなみに女性たちの年齢層は、片方が三十代半ばほど、もう片方が二十代前半ぐらいの年齢層だった。その女性たちは、仲よく並んで棒立ちで立っていて、なおかつでぼーっと(無言で)家の中を見つめ続けていて気味が悪かった。

 そうそう、今(この原稿を書いている最中に)思い出したが、夢の中では家族は全く出てこず、完全な室内にはなぜか私しかいない状態だった。しかも、住人である私がいるし家具もちゃんとあるのにも関わらず、室内が「もぬけの殻」といってもおかしくない雰囲気をかもし出していた。そこもまた、不気味で変な内容の夢だと思わせる原因なのかもしれない。

 話を本筋に戻すが、私は家の中から女性二名の様子を伺いつつ、なぜかその女性たちから悪霊っぽさを感じ取っていたのを鮮明に覚えている。なぜそう感じ取っていたかは分からないが、とにかく私の中の第六感が「この女性たちとは関わってはいけない。関わってはいけない幽霊だ」と感じ取っており、早くこの状況から脱したくて仕方がなかった。

 結局のところ、夢の中の自分が悩んでいる最中に目が覚め、ただの夢であることを知るのだが。夢の舞台が自宅だったからか、妙に現実味があり、夢から覚めた後も気味の悪い感じが残っていた。あの女性たちは一体なんだったのだろうか?ちなみに、あの夢を見たからといって、霊感が開花したわけでもなく、心霊現象が続くわけでもない。あの夢を見ただけで、なにも起こっていない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

実話怪談 佐伯眞依 @saekimai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ