第4話 ハメられた……。

 翌日、掲示板の辺りがザワザワしている。それは私と青葉先生と服を選んでいるところの隠し撮り写真が貼られていた。


 げ、昨日の偶然デートの写真だ。


 その後、教頭先生に小会議室に呼び出される。私が小会議室に入ると青葉先生が先に座っていた。


「早速だが、この写真はどういうことですか?」

「服を選んでもらっているところです」


 青葉先生が簡単に認めてしまう。ここで、私が認めれば終わりだ。


 それは決意表明であった。私は青葉先生をかばうことにした。このドキドキする感情を素直に受け入れてだ。


「そうです、私が青葉先生を脅迫して無理やり服を選んでいたのです」

「ほほう、生徒が教師を脅迫ですか」

「はい」


 終わった、私の人生は終わった。ここで青葉先生をかばったなら、私が退学処分を受けるのだ。本当なら体育倉庫に呼び出して、そこでハメるつもりであった。こんな事でお互いに傷を負うなら、私だけでいい。


「お互いのスマホに連絡先が入っていて?街で偶然出会ったなら、赤井さんが青葉先生をかばう必要はなくてよ」


 同席していたスクールカウンセラーさんがスマホを見せる様に提案してくる。


 私達はスマホをチェックされる。当たり前だがお互いの連絡先は無かった。


「やはり、偶然ですか?」


 スクールカウンセラーさんの問いに私は頷く。その結果は無罪放免であった。これで体育倉庫に呼び出してハメることができる。


 あー本当にそんなことできるのか?私は首を傾げながら教室に戻るのであった。


 教室に戻ると私は一日のエネルギーを全て使った気分であった。自分の椅子に座ると机に向かい丸くなる。


 でも、誰が偶然デートの隠し撮り写真など撮って掲示板に貼ったのだ?


 すると、香蓮が寄ってくる。


「どうだった?」

「無罪放免だった」

「それは残念、私が二人をハメてやったのに」


 はい?私が香蓮に聞き直すと……。


「だから、私が琴葉をつけていたら偶然に青葉先生が現れたの、これはチャンスと思って隠し撮り写真を撮ったの」


 私が言葉を失っていると。


「後はプリントして掲示板にわけ」


 ま……。


 毎日の様に青葉先生をハメることを話し合っていたし。香蓮にとっては普通の行動なのか?


「ゴメン、少し一人にしておいて」


 香蓮と距離を取ると、やがて授業が始まるが、私は再び机の上で丸くなり、ウトウトとしていた。


 あー疲れた、今日は寝ていよう。

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