第3話 デート

 今日の夜は学習塾の日であった。実に面倒臭い、大学など三流でいいのに。このメンタルの低さは学習意欲を奪い。結果、成績は伸びず、親に怒られる。私も実感しているが、これは悪循環であった。


 こんなストレスのかかる環境だから、青葉先生に八つ当たりするのかもしれない。


 私は母親と交渉してお小遣いを貰い、一人で買い物に行くことになった。


 そして、日曜日が来た。街に出てお買い物をエンジョイしていた。すると、青葉先生とバッタリ会う。


「いやー偶然ですね」

「赤井も買い物か?」

「は、はい、そんなところです」


 私は完全に意識している。ここで偶然でのお買い物デートなら、教師と生徒の恋の禁断の関係に近づいた。


「よかったら、服をコーディネートしましょうか?」

「気が利くな。頼もうかな」


 なんだ!この無防備な教師は?


 そこは断れよ。でも……嬉しい感情は何であろう。あ!!!恋なんて面倒臭い病気にかかったのか?


 私は少し混乱していた。


その後、私達はメンズコーナーに行き、私が青葉先生のコーディネートを始める。ここは清潔感を出す為に青と白のチェックの服を選ぶ。

下はクリーム色のズボンを選び教師らしい恰好でまとめた。更に、ファッションビル内の美容院でぼさぼさの髪を短めに切る。


 なにこれめっちゃタイプやん。当たり前だ、自分好みにコーディネートしたのだ。


「さて、これから、どうします?」


 私の問いに青葉先生は腕を組み考えている。少し待つと。


「アニメショップにでも行く?」


 は?アニメショップ?オタクなの?


「声優のさおりんのアルバムの発売日なのだよ」


 未知の世界だがここは付いて行くか。


「はい、行きます」


 ファッションビルから歩いて数分、何やら雑居ビルに入っていく。

私はドキドキしながら青葉先生に付いていく。アニメショップに入るとフィギュアに同人誌、かなりマニアックな店だ。


「か、買うのは声優のさおりんのアルバムだけですよね?」

「そうだが、問題あるのか?」


 ふーう、安心した。ここで巨大フィギュアでも買ったらどうしようかと思ったところだ。アニメショップでの買い物が終わり。


 ここでデートならランチの時間だ。私と青葉先生との関係を考えるとここで終わりだ。


「じゃ!」と言って私は青葉先生から離れる。


「おう、まだ明日な」


 私はファーストフードの店に行き独りで御飯にする。あーデート、終わっちゃった。ポテトは塩辛く大人の味がした気分だ。


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