第十八話 ーファーストワークⅣー

「よく来たなッ!!この国アソトを守ろうとする第一の戦士よッ!!」


うるさ、ギルティの最初の言葉だ。

目の前の女性の声量は人をはるかに超えているようだ。



大きな声。いや怒鳴り散らかしていると言ってもいいのにも関わらず、聞き取りやすい声は意地でも頭の中に言葉をねじ込まれている感覚を覚える。

そしてそれは、ここに約400名あまりの人間に届かせるならば適切な声量である。


「お聞いているのかお前たちッ!大きな声で返事しろッ!!」


「「「はいッ!!!」」」


400人余りの大きな声量での返事に会場が揺れるような感覚。

思わず反射的にギルティは耳を塞いだ。


(音が割れたスピーカーの中にいるようだ)


ギルティがいる場所は首都アノにある強さを象徴するような大きな施設。

此処を一通り見渡したギルティは最終的にここは試験会場だと結論付けた。


「まず言っておこうッ!お前たちの名前など私は問わないッ!!最後まで生き残った数十名ッ!!この私に名前を覚えられる価値があるというものッ!!わかったかッ!!!」


「「「はい!!」」」


「そして将来生き残った数十名のために私の名前を教えておこうッ!!!

私の名前は【アミ・ラズベリー】!!お前たちが絶対に頭の中にねじ込んで入れないといけない存在だ!!」


アミ・ラズベリー、黒のショートヘアに、主に使う武器は腰に携えている武器は大剣とは言うには少し惜しい両手剣であることから、相当な鍛錬と力自慢な女性なのが分かる。


「今から貴様らにはこのアソトを守るに相応しい人材かどうかッ!!自分の力を十分に発揮して悔いが残らないようにしてほしいッ!!!今からここにいる400人余りを100人の団体に分けるッ!!決して動くことは許さない!!」


周りにいたアミ以外の三人の男が400人余りの人数を四等分に分けそれぞれ


A会場、B会場、C会場、D会場があり、それぞれ施設の四方八方に分かれおり、残りの隙間はすべて通路のだったのを見ると本当に戦闘特化の施設である。


「ではお前たちは私について行ってもらおうッ!!行くぞA会場へッ!!」


アミ・ラズベリー率いるその他群衆と一緒にA会場に向かう最中も周りを見渡し、その後ギルティやはりと納得した。


(最初に見た時からどうも違和感があったのだが、やはりそうか)


簡単に言えば背の順のようなもので、今回の会場分けは右からA、B、C、Dと別れているのだが右から左にかけて徐々に体格がよくなっていたのだ。


(単なる偶然ではないのだろうが、それでは疑問が残る)


その疑問はギルティ自身の事である。

徐々に右から体格が大きくなっているのならばなぜ自分がA会場へ行く羽目になったのかが気がかりだった。

ギルティの体格は大きく見積もってもB会場の中の下、ここにいる奴らの比べれば雀の涙に等しいかもしれないのだ。


「なぁあんた、そこのひょろそうなの」


そんなことを考えていると隣からの声にギルティは首を横に90度回すと、そこにはいかにもパワーで解決と言った筋肉を持っていた男がいた。


「なんだ、トイレの場所ならわかるぞ」


「ちげーよ、気が付かねぇか?ABCDそれぞれの会場で大まかではあるが振るいに掛けられてるのによ」


「そんなこと、とうの昔にわかっている。なのになぜ俺がここにいるのか理解できないのだ」


目の前の男は俺の体を見入るように上から下へと顔を動かした後、

ギルティに言った。


「確かに、お前の体つきじゃどう考えてもここのやつじゃないな」


「だろうな、そこが気がかりなんだが…っと」


「ついたぞッ!!ここがA会場だなッ!!」


隣のやつと話しているうちにA会場についていたギルティはあたりを見渡す。

ほかの会場のことは分からないが、A会場とそのほかの場所では、力を審査ために使っている器具が違うのだろう。


「先に言っておこうっ!!お前たちの中で気づいている奴のいるかもしれないがッ!

このA会場にいるお前たちは大まかではあるが選ばれた人間なのだッ!!!」


(やはりそうか、しかしそれならば本当にわからないな)


そう思いながらギルティはアミ・ラズベリーの言葉を聞いた。


「だからと言ってッ!!ここにいる奴が全員選ばれるかと言われればそうではないッ!!あくまで大まかな選別であり、ここから消えるもの数多いぞ!皆気を引き締めてやるように」


「「「はい!!!」」


ではこっちだッ!!とアミ・ラズベリーは俺たちを率いて最初の種目に向かっていくギルティは悩んでいた。


(これはあくまで依頼を完遂するために入っただけで、あまりに目立つのは印象付けてしまうが、逆に最低限過ぎると、返って怪しい、ならば)


普通ぐらいを目指そう、

ギルティはともにアミ・ラズベリー率いる群衆について行った。






















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