第16話

 果たして。

 店主は。


お役人ですか。それとも警察、魔術界のご命令、ご依頼を遂行しに?


 と、まるでさっきの魔女が急に態度を少し変えた時のように質問をする。しかし、両手をしっかり腰の位置で合わせ、上品というか、丁寧な接客を、心掛けることを忘れない。

 警察はわかる。実は、人通りの中、パトロールの腕章をつけている人を何人も見た。ただ、悪人がいないからか、服装がバラバラだからか。警察というよりは自警団の人たち、という印象だし。はたまた私が見た人達と警察は違うものかもしれないけれど。それよりも。

 魔術会とな。

 新しい組織だけれど、魔法があるなら、それを管理する組織があってもおかしくないのか。

 店主は言う


当店の万引き防止術式は、古くともきちんと作動しますし、お恥ずかしながら、商品が盗まれそうになった事件は、ちゃんと報告書と被害届を申請、受理していただけました。他になにか、


 と、店主の顔色が変わる。


まさか、商品を安くせよと?はたまた、粗悪品を作り横流しなどは


「違います、違います」


 ぜんぶ、ちがいます!

 私は、まず、警察でも、魔術会でも、役人でもないことを伝えた。

 ちなみに警察と魔術会があるなら、お役人て、

どの機関かと思ったら、お店の多いこの街で互いに交流し、見張り合い、商いを営む商人・職人連合のメンバーや、まとめ役らしい。

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