自主企画から拝読いたしました。
山崎の奥様があまりにも手慣れた対応をするので、こうして訪ねてくるのが、リナで何人目だったのだろう……と思いました。
でも、奥様に会ったからこそ、リナは成長できたとも言えそうですね。
山崎は、これからも同じことを続けるのでしょう。奥様の仰るようにその時はすぐではないかもしれませんが、その時が来たら彼はどうなるんでしょうね。
恋愛の苦い部分を見事に描ききっている作品でした。
方角は真北とのことですが、物語の味わいとしては西も少し入っていそうだなと感じました。読んでいて、私の口の中もなんだか苦くなったような気がします。
作者からの返信
泡沫 希生さま、読みに来てくださって感謝です。
おっしゃる通り、山崎健は同じことを繰り返している、しょうがない浮気者です。ですが、それは最愛の妻を亡くすことへの恐怖からきている部分もあります。妻に先立たれたときに、むちゃくちゃ後悔するのかもしれません。
「恋愛の苦い部分を見事に描ききっている作品でした。」
↑ きゃー! なんというもったいない褒め言葉、ありがとうございます。
読後に口の中が苦くなられたのならとってもうれしいです。
西が少し入っているというコメントを複数の方からいただきましたが、フィンデルさんはどう思われるのか興味津々です。今まで、方角など考えたことがなかったので、この企画自体が非常におもしろいです〜。
暖かいコメントにお星様、ありがとうございました。
かしこまりこさん
他人のものだからこそ欲しくなるタイプの人が世の中は一定数いることは知っています。情状酌量的に「仕方ない」というケースもあるので「不倫即斬」とは想いませんし、それぞれの抱える背景も違うので、無闇と断罪はしませんが。
「報復してやる」と勢いで突撃したはいいものの車いすの奥様が出てきて、動揺している時点でリナちゃんの負け。撤退すべきでした。
奥様のほうも「来い」と期待していたかもしれません。この姿を見てもまだ何か云えるかしら? と。
どちらも少しずつ卑怯です。
不倫で舞い上がっていたリナはリナだし、
正妻に加えて難病というゴールドカードを持っている奥様はリナに対して強者であることを知っていたでしょう。
救済者であることに価値を見出す人間を個人的に知っていますが、コントロール慾も非常に強い人でした。「自分がいることで、成功する」「自分のおかげ」というシナリオに固執するのです。
その救済者と共依存だったくせにそこから一歩踏み出したリナが救済者の不興をかうのは当たり前ですし、沼っていたリナの自業自得なのですが、自己責任の覚悟はなかったのですね。
挙句が彼の家に押しかけて暴露してやるという衝動的な行動に出た。
お茶が苦いですか?
仕方がありません。
今までのリナちゃんのやってきたことの結果ですから。
不倫と苦味という一見ありふれた題材に深く引き込む力がありました。
北に少し西が入った感じかな? と想いましたが方角については初参加でよく分かりません(^^;)
作者からの返信
朝吹さま、丁寧に読んでくださり、コメントと評価までありがとうございます!
作者の意図を正確に読み解いてくださっていて感動です〜。
作者よりも、三人に対する評価が厳しめですが(笑)
リナは、山崎が既婚者と知っていて情事を持ったわけですが、「他人のものだからこそ欲しくなった」というより、ウブだったんで、盲目的に信奉してしまった感じです。
山崎は、自分を頼ってくる女性がほっておけないタイプで、エロくてお調子者だけど、根本は優しい設定なんです。
奥様は、自分の死と常に向き合わないといけない悲しさと、それゆえの強さを持った人です。
↑ と、作者の脳内ではこんな感じで、それぞれ情状酌量の余地大ありなのですよ〜。
リナは奥様の返り討ちに合い、自分がしてしまったことの意味を痛感したことでしょう。おっしゃる通り、自業自得です。
ありふれた題材ですし、スタンダードな成長物語としてまとまっちゃったなぁと自分では思っているので、真北にしましたが、ちょっと西が入ってたらうれしいですね。
私も初参加なので、方角についてはよくわかっておりません。適当に言っております(笑)
ありがとうございました。
奥さんの登場でガラッと雰囲気が変わるというか、予想外だったので物語に深みが出た感じがして、さらにラストの雰囲気とかカッコよかったです。えーと。言葉がとっちらかってるんですが。西の趣きも感じました。男に対して、わかりやすい、ざまあ、ってわけでもなく、なんかやばい沼に片足ツッコんじゃったけどなんとか自力で這い出してきましたっていうのが西っぽいかなあ、と。でも主人公の成長ものでもあるので北北西?あたりを予想しときます。笑
作者からの返信
竹神チエさま、ようこそおいでくださいました♡
もうすぐ例のT子さんが読めるのかしら、とワクワクしております。
予想外と言っていただけてうれしいです。ちょっと「お約束的」すぎちゃったかしらと心配していたので。
おっしゃる通り、男に対して、ざまあ、な話ではないですね。
なんかやばい沼があっちもこっちも……フッフッフ♪
西、入ってますかね。割とスタンダードな成長物語として着地しちゃったなぁと思っていたので、ちょっとでも入ってたらうれしいです。
この企画の作品を参加された順に読んでいて、ちょうどチエさまのを読んでいたときにピコーンとチエさまから私の作品へのコメントが来たので、「神タイミング! きゃー♡」ってテンション爆上がりしたのですよ(笑)。昨日はバタバタしていて、コメントとコメ返が書くのが遅くなりましたが。
読んでくださって、コメントと評価まで、ありがとうございました。
かしこまりこ様
御作拝読いたしました、水木レナです。
たいへんスマートなお話だと思いました。
冒頭からの描写などきれいで気品がありますね。
安心して読めました。
ヒロインについては、新しい道が開けているのでしょうから、そこは救いだと思います。
山崎健がどうしようもないな、と感じました。
正直方角がわかりません。
西がちょっぴり入っていませんか?
痛い目を見たヒロインがラスト「山崎なんて」と思ってえーんと泣いて吐いて終わりなので……その、決着はどこでつくのかなと。
いえ、ヒロインが山崎妻と逢って話してそれで決着はついているのでしょう。
妻がだれより夫を理解している、そのうえで彼が自分から離れていかないと確信している。
たぶん、そこに至るまでに山崎健はいっぱい保険をつくっていたのではないか??? 妻が場数を踏んできている気がいたします。
山崎健がそういう気質の持ち主で、で、妻の事情が事情ですから、保険というのは、妻が亡くなったときの保険なのかなと思いました。
山崎健は妻に必要とされ続ける、でも必要とされなくなるとしたら死後ですから。
一人じゃ生きていけないから、こわかったんだと思います。
妻の言葉を信じると、ですが。
共依存という言葉を今、思い出しました。
山崎健はヒロインに依存し、依存されることで立っていたということでしょうか。
うまくいっているときはいいですが、亀裂が入ると溝が深くなるという、誠に救いのない関係だったと思います。
ヒロインは二度と山崎健にはなびかないでしょうし、間違えないと思うので、痛手はあっても人生の上ではまだまだこれから幸せになれる、そう思いました。
作者からの返信
水木レナさま! 早速読みに来てくださり、丁寧なコメントをありがとうございます! 私のコメントの返信も暖かい言葉がたくさんで感動しました。
この物語では、山崎健が非常にダメ男に見えるような書き方になっちゃったんですけど、作者の脳内では、彼もいろいろと悲しいものを背負ったチャーミングなモテ男です。
「山崎健はいっぱい保険をつくっていたのではないか?」
大当たりです〜。
山崎健は、あれなりに妻を真剣に愛していて、妻を亡くすのが怖くてたまらないのです。誰かに強く必要にされることに自分の価値を見出してしまう、悲しい性のゆえでもありますが、それ以上の気持ちもあると思っています(作者の脳内で)。妻はそれに気づいているのかいないのか。
「一人じゃ生きていけないから、こわかったんだと思います。」
↑ おっしゃる通りです。
ヒロインは、山崎健に救われたんです。盲目的な恋をして彼しか見えなくなってしまった……ところで失恋。別れを自分で消化することができなかったので、未練から復讐という暴挙に出たんですが、奥さんに出会って自分がしてきたことに気づいちゃったんです。それから、自分が欲しかった未来は、山崎にずーっと依存し続けないといけないという未来だということにも。それゆえ、号泣→「いらない」っていう結論に。
自分の中では、わかりやすく着地してしまったなぁ。真北じゃ! と思っていたのですが、みなさまのコメントを読んで、小説は様々な解釈があり、作者の脳内だけにあるものは、あくまで脳内にしかないという、当たり前のことを再認識しました。
コメ返が長くなってしまってごめんなさい。とても丁寧に読んでくださり、暖かいコメントと評価、うれしかったです! ありがとうございました。
編集済
主人公と担当者の関係かなと思いながら読んでいたのですが、読み進めるうちに担当者とその妻の関係を書いてらっしゃるのかも、と思うようになりました。
主人公との関係は決定的な離別宣告があったわけではなく、ある意味主人公の思い込みによるところが大きいな、と。
一方、担当者と妻の場合は難病を抱えひとりでは生きられない妻と、人の役に立っている状態が好きな夫。そこに愛情があるにせよないにせよ、結婚という楔に縛られ続ける関係性はまさに抜け出せない沼なのかもしれません。
とても面白かったです!
作者からの返信
コメントと評価、ありがとうございます!
作者の意図としましては、三人ともの関係を書いたつもりです。ヒーローになりたい男と、導かれたい女、それから、誰かに頼らないと生きられない女。三人三様、弱さと強さがあり、依存という形の愛もある……みたいなところですかね。なかなか意図したように伝えるのは難しいですが、いろんな解釈の仕方があるのも、小説の醍醐味だと考えます。悠木 柚さまの感じられたストーリーが面白かったのなら、とってもうれしいです。
暖かいコメントありがとうございました。
沼って、ようは依存ってことですよね。
ぬるぬるした環境で、はたからみたら、気持ち悪い場所であっても、本人にはそこにしか自分の居場所がないから楽園。
いやー沼っぷりがよーくわかるお話でした。
主人公はこれでよかったんですよ。依存という沼からはいでたんだから、それも自力で。
沼から自力で出られた人は自分の足で歩いていけます。
幸あれ!
作者からの返信
こころさん、読みに来てくださってありがとうございます!
さすがこころさん、おっしゃる通り、依存の沼を書いてみました。三人とも依存してるんですよね〜。でも、依存も愛の形だと割と本気で思っています。
でも、リナは沼から抜け出せてよかったです。リナの成長物語でもあるので、彼女の幸せを願ってくださってうれしいです。
お星様もありがとうございました♡
編集済
山崎……オマエ、ダメだろ。
いつ刺されても文句言えんぞ。
奥様は素晴らしいのだが。
リナさんは漫画で見返してやるしかないですね。
こういうのも北向きなんですね。
実は方角の事はよくわかっていない。
作者からの返信
暗黒星雲さま、拙作を読んでくださってありがとうございます!
山崎、ダメですよね。典型的な沼らせ男です(笑)。でも、こう見えて尽くすタイプのモテ男なんです。
奥様、すばらしいって言ってくださってうれしいです。
リナは根性がありますから、きっとがんばって見返すと思います!
私は現代物のドロドロ恋愛を良く読むので、こういうのがエンタメと思っているのですが、暗黒星雲さんの作品を拝読して、「北ってこういうことか〜!」と目からウロコでした。
フィンデルさんの企画のおかげで、視界が広がった気がします。
うれしいコメントにお星様まで、ありがとうございました。
うわぁ〜
ジリジリと暗い情念に炙られるような。優位に立っているようで、実は追い詰められているような心の動きに、むちゃくちゃドキドキしちゃいましたよ。
それぞれのキャラクターが浮き上がってくるようで凄いですね。
五感に訴えてくるような書き方が、まりこさんらしいなぁと思います。
リナちゃん、しっかり立ち上がって前に進めるといいな。
楽しませていただきました!
作者からの返信
かわのほとりさま、こちらまで来てくださってありがとうございます。
かわのほとりさまには、いつも元気をいただいています。
書いてみたら、正妻がやたら強くてホラーちっくになっちゃったんですけど(笑)
リナも、山崎も、彼の妻も、書いてみたらすごくかわいい(?)大切な人たちになりました。みんな弱くて強い。なので、キャラを褒めてくださって本当にうれしいです。
リナちゃんは根性ありますから、ただでは起き上がりません。
きっと強かで魅力的な女性に成長すると思います。
胸に染みるコメントありがとうございました。
あらー、これは面白いです!
まりこさんらしいシニカルで大人な視点から書いてありますねー。これはなかなか書けませんよ。お見事です。こういう現ドラは力量の差がはっきり出ますよねー。個人的にはエンタメ度の高い恋愛もので真北かなと思いますが。
あと短大出たばっかりの愛人は俺もほしいです♡
作者からの返信
ゆうすけさーん! コメントうれしいです。
ゆうすけさん、本当に褒め上手ですよね。
短大出のかわいい愛人を斡旋して差し上げたいくらいです♡
もともと、エンタメを書きたいと思って小説を書いていますが(成功してるかはさておき)、この短編は特に、リアリティを差し置いて、お約束的なエンタメに振り切ってみました(自分基準です)。真北と言っていただけてうれしいです。
励みになるコメントとお星様、ありがとうございました!
必要としなくなったから逃げられた。これがですね、すこしばかり思いあたる黒歴史があってドキ〜っとしましたᐠ( ºᄆº )ᐟ笑
夫婦と愛人と、その関係性も沼ですけど、三者三様の沼がそれぞれの中にもあって、なんかもう本当に沼だなと思いました。(なんだこの感想)
でもリナはここからですね。この経験が彼女をいい女に育ててくれるといいなと思います。
あと、冒頭の冷めたコーヒーと、最後の熱いコーヒーの対比がとてもよかったです〜☕
作者からの返信
「必要としなくなったから逃げられた。これがですね、すこしばかり思いあたる黒歴史があってドキ〜っとしましたᐠ( ºᄆº )ᐟ笑」
↑ ええ〜! マジですか。ちえさまの黒歴史、むっちゃ興味あります(笑)
「あるある」を書いたつもりではいたので、不謹慎にもちょっとうれしいです。
三者三様、いやもう、本当に沼ですね(笑)
私が書く男って、どうしてもダメ男になっちゃうんですけど(なぜ……)、作者の脳内では、とってもチャーミングなモテ男ですから、リナちゃん以外にもたくさん愛人がいますよ♡ あっちもこっちも沼ってます♪
コーヒーの対比、ちょっとわざとらしかったかもですが、褒めていただいて嬉しいです。
お星様もありがとうございました!
これは結局、奥さんとだんなさん、どちらが沼になるんだろう……? とどきどきしました……!(; ・`д・´)
面白かったです~!(≧▽≦)
作者からの返信
いやーん。乙さんが読みに来てくださってうれしいです♡
ドロドロの沼にドキドキしていただけたのなら幸いです。
愛人が正妻に会いに行って返り討ちに合うっていう、手垢のついたストーリーラインなので、「どっちかな……?」という要素が少しでもあってよかったです。
過分な評価もありがとうございます!
編集済
おもしろかったです!詳しい感想は夜にでも。
指摘:
編集者としてあらゆる新人を世に出してきた彼に、私はすっかり心酔し、彼について行けば成功するのだと信じていた。
ここは現実と矛盾しているか、書き方が甘いかな? と思いました。あらゆる(優秀な)新人を出してきたから心酔して成功を信じた、ということかな。とすると、それは現実離れしているような。
>彼の人生をめちゃくちゃにして、一生後悔させてやる。一生憎まれる方が、忘れ去られるよりも何倍もマシだ。
いいですね、この怨念具合!
>「毒入りよ、それ」
この台詞も!
最後の締めもとても良かったと思います。三者三様の性格が書き分けられていて。
気になったのは(個人的興味で蛇足ではあるのですが)、この後主人公は筆を折るのでしょうか? 才能がさほどあるとは思えない。でも、書き続けるのかな。
完全なフィクション感を感じたので、私も真北かな?と思いました。
まりこさんの書きたい世界はこういう作品なのかな、と思わせられるものでした。確かな個性がありますね。
作者からの返信
オレンジさん、非常に丁寧なコメントをくださってありがとうございます。
貴重なお時間を割いてくださって感謝です〜。
ご指摘の件、なるほどです。工夫してみます。
こちらの意図としては、若手の新人さんにとって、「作品を世に出してくれる人」という時点で、すでに魔法使いのような存在かなと思ったんですよね。作者は作品を商品に変えて売るプロではないので、その道で長くやっていらっしゃる編集さんのことを、私だったら無条件に尊敬してしまうと思ったんです。そうは言っても、実際は相手も人間なので、「絶対売れる!」と(編集さんが)思ったものが売れなかったり、その逆もあるのだろうな〜と。「彼について行けば成功するのだと信じる」のあたりを、もう少し現実味のある感じに変えてみます〜。
この主人公は筆を折るのかというご質問ですが、作者としては、この失恋をバネに漫画家としても人間としても一回り成長すると思っています。「デビュー作がヒットしない=才能がない」とも限らないと思いますし。個人的な好みですが、長年目が出なかった人が、ジワジワと頭角を表して成功するといったエピソードが好きなんですよね。評価をされなくとも長く続ける情熱があるクリエイターさんのことを尊敬しています。この主人公は、怨念と根性のある子なので、へこたれないんですよ(笑)。いつか芽がでる予定です。
お星様もありがとうございました!
まりこさん
すごいな、やっぱりまりこさんは短編作家がすごく向いているよね。
とても良かったよ。
作者からの返信
アメさん、ありがとうございます!
大好きなアメさんにそう言っていただけると、とってもやる気が出ます。
アメさんみたいに、短編も長編も書けるようになりたいんですよね〜。
長編は同じ設定とキャラで長く楽しめるのに比べ、短編はすぐに終わってしまって寂しかったりもします。
うまくいかない時も多々ありますが、いろんなことに挑戦したいです。
お星様もありがとうございます。
編集済
短編でこの迫力と密度はすごいですね! 恐れ入りました。フォローの後、読むの遅くなり申し訳ない汗
作者からの返信
蜜柑桜さま、返信が遅くなりごめんなさい。
いやーん、そんなふうに褒めてくださって感無量です。
後味のいい楽しい話じゃなくて申し訳ないんですけど(笑)、読んでくださってうれしいです。
お星さまもたくさん、ありがとうございました!