いつもの帰り道

たから聖

第1話 暖かい手

いつもの帰り道……

私と貴方は手を繋ぎ合う。


『キュッ』と離れない様にしながらも、貴方の温もりさえ愛おしい。

可愛らしい瞳が隠れてしまう程の前髪をユラユラさせて、


私の方を振り返る貴方。

その笑顔に、いつも救われるの。




告白された時、私は自分に自信が無かったわ。

だって貴方はかっこいいんだからそれ相応の人じゃないとって理由よ。


だけどね?


前からずっと見つめてたの。

惹かれていく気持ちが溢れてきて止まらなかったわ。



そんな頃、貴方の告白を

信じられない気持ちで聞いた。



私と貴方は…ひとつになる…。



貴方の前髪を、ソッと…上げてみると、

信じられないくらい綺麗な瞳。


『前髪切ろうよ?』


『お前がやって?』


『でも、、、』


私の手を自分の唇に押し当てて、

香りを楽しみながらベットで

腕まくらされたわ。



私は目をつむる。貴方の鼓動を感じられるように



ギュッと…抱き締める腕が

少しだけ緊張感が漂う。


貴方の方へと引き寄せられる。

非現実的な日常が


私と貴方を包む。



『いい香り。』


『ふふ。くすぐったいわ…』


『ねぇ、好き?』


『うん。愛してる。』


甘い香りのするキスで、私はとろけるわ。



貴方の潤んだ瞳は……

……



明日も明後日も…その次の日も。



こうして甘い時間を過ごして行けるのね。



和也かずや…。

わたしを、、、、





[完]

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いつもの帰り道 たから聖 @08061012

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