エピローグ 薬効




 時は戻る。

 それは十話子達が城の内部にいた頃の出来事だった。




 メモを兵士に見られたペルカは、数時間後に厨房に顔をだした。


 そこでは苦悶の表情を浮かべ、飢えに苦しむ兵士達の姿であふれていた。


 兵士達は「ぐぅ」「ぐぅう」「ぐるるる」と呻きながら、何もない場所に話しかけていたり、何かにおびえてふるえていたりした。


 その中の一人に、ペルカが一束の草を手渡した。


 それは、城の門のすぐ外に生えていた、どこにでもある雑草だった。


 手渡された兵士はそんな雑草にかじりつく。すると、次第に様子が落ち着いていった。


「ミスをしたら、わかっているわよね。馬鹿な事をやらかしても、こうなるのよ。身にしみたのならば、きちんと働きなさい。世界の平和の前なら、こんなことは些末なことでしょう?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ファイブ 異世界の王女様が世界を救うために一生懸命すぎるんだが 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ