神様
富田百
神様
黒いカーテンが掛かった無数のケーブルが這う天国があり、そこから射す黄色や橙色の眩しい光に下界の人間たちはぐっと手を伸ばす。そうして、光の中にめいっぱい伸ばした手の、その指や掌を、金輪際届くことの無いであろう神様へと差し伸べる。そういった有象無象の人間たちの為に、神様は声を張り上げて応えている。その光景の何と素晴らしく美しいことか。両腕を力強く、いっぱいに広げて。讃美、讃美、讃美!
人間は支配を嫌い自由を愛すると口ずさむけれど、心底で自ら選び取る架空の支配にはひどく憧れている。何度も何度もその眼に素晴らしく映るものに傅いて、首を垂れたいと願っている。カリスマ性に屈伏したくて仕方がないんだ。それは、マキマが支持を得ているように。
かくしてホロコーストは力を得たのか……
神様 富田百 @tomita100
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
新世/富田百
★3 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
荒天の後の晴天新作/aisan
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1話
うたかた最新/西しまこ
★87 エッセイ・ノンフィクション 連載中 132話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます