第7話 六峰鬼神会 関東支部会館 再び
安住、明美について関東支部会館へ向かった。今日はホテルから歩いて行ってみる。道行くサラリーマンやOLの人たちは何か忙しそうにそれぞれの行き先に向かっている。学生の正男からすると、安住や明美は頼りになる先輩であるのと同時に不思議な存在だった。
というのも、この『会』の人の多くは、正男が知る限り自分の仕事を持っている。サラリーマンだったり、OLだったり、自営業の人だったり、そしてもちろん、仕事を退職て悠々自適な生活をしている人や専業主婦の人もいる。学生も結構いる。正男たちのような大学生はもちろんのこと高校生や中学生もいる。しかし、こういう人達は皆それぞれに、この『会』以外に自分の本当の職業や本分のようなものがある。
そんな中で、安住と明美はこの『会』の職員という感じだった。いや安住は『代表』なのだから、そうなのか……とも思うが給料のようなものが出ているのだろうか? 出てないとやっていけないだろう……
正男も大学三年生だ。ふと就職を考えるなか、安住を見ていて、ここで普通に生活が成り立っていくぐらいの収入が得られるのであれば、この『会』に就職というのも悪くないんじゃないか……などと思うことがあった。
その日は支部長の
支部会館に戻ってくると花形と横山が迎えてくれた。夕方、七時から会館の会議室で、その日、来館していた人を集めて、安住がちょっとした講演会のようなことをした。
準備していたのか即興なのかわからないが、こういう場で、世の中の情勢や、『会』の活動などを上手に織り交ぜて『
こういう話をさせると、さすがに安住は『会』の代表だなと納得がいく。もともと、こういう演説に
講演会のあと、安住の周りにたくさんの人が集まって、また、しばらく話をしていた。明美の周りにも女性の会員が多く集まっていろいろな話をしていたようだ。こういうとき美登里も明美の隣で一緒に話を聞いている。
東京都内の別の会館や神奈川、埼玉にも行った。こんな日が三日ほど続き、四日目は、また、関東支部会館で一日過ごした。
花形が安住に言うには、つい先日、京都総本部から連絡があり、四月に東京の某ホールで集会をするということだった。このことは同じ日に
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