第2話 教室
2-3
ここで俺は一年間過ごす事になる。前から入るのは怖いので
(周りの視線が)
潔く後ろから静かーに入る。第一印象ってのが大事らしいけどんなもん知るか!
怖いもんは怖いんだい!
教室に入ると周りの目線が一瞬俺の方に向き、直ぐに自分たちの輪に視線を戻す。一人だけ俺の方から視線を外さず、唯一の友人。藤井幹太がこちらに向かってきた。
「よっ!一年間よろしくな。優斗」
爽やかな笑顔で幹太はそう言った
「ああよろしく。相変わらず幹太は友達が多く羨ましい限りだ」
「今回のクラスはサッカー部が多いから運が良かっただけだよ。」
またまたご謙遜を...
続けて幹太は言う
「優斗も相変わらずじゃないか。高身長でガタイが良く、鋭い目、ベリーショートときた。初対面じゃ絶対話しかけるなんて無理だぞこんなの」
「中学の頃はバスケ部繋がりでまあまあ人脈広かったんだけどな...高校入ってからじゃ部活も入ってないからさっぱりだよ。」
「ってか人をこんなとか言うな傷つくぞ、幹太だって俺と然程変わらないだろう。...身長以外」
「気にしてるところ言いやがったな、まあ俺はコミュ力でカバーしてるんで?その点優斗は?」
どうだ!と言わんばかりの顔で幹太はそう言った。
クッソ言い返された...ぐうの音も出ない。
「お察しの通りでございます」
「ふっ!人の気にするところを言うからそうなるんだぞ!とりあえずHR始まるからまた休み時間な」
「おう?」
待てよ...?アンタ休み時間はサッカー部一軍とガヤガヤしてるでしょうが!
まあ良い自分の席に向かう事にしよう。
自分の席を見つけるのは簡単だった。なんせ可愛い子(海野さん)の後ろに行けば良いんだからね!自分の席に着き一旦至福のひと時を過ごす事にしよう。
どんな時だって?ふっ、決まってるじゃないか可愛い子を眺めてる時さ...
海野さんは一人でHRが始まるのを待っている。もしや同業者(ぼっち)なのか!?
そんな筈はなかった。海野さんの隣のあからさまに一軍女子のオーラを出している子と会話を始めた。
「しーちゃん、小学生ぶりだね!一年間よろしくね!」
しーちゃん...?しずくの「し」...か?
なんて可愛い呼び名なんだッ‼︎
「クラス替えで友達いないかと思ったけど
夕羽、確か白井夕羽だったっけな...俺は意外と記憶力はいい方だと思っている。クラス替え表の時にその名前があった筈。おそらくそうであろう。
「そうだ!しーちゃんLINE交換しようよ!」
そういい白井さんはスマホを取り出しLINEを開く動作を行った
「もちろん。これQRね」
海野さんは白井さんのスマホに向かってQRを差し出した
「登録できた!じゃあ改めて一年間よろしくね!」
「うん。よろしく」
海野さんはやっぱり声も可愛い。
チャイムがなった。新クラスでの初のHRだ
先生は教壇に立ち自己紹介を始めた
「これから一年間、2-3を担任する
好きなタイプはイケメンな漢♡よろしくねんっ」
おっと...見た目は普通の教師だが...だいぶ個性の強い担任にあたってしまった
むしろこれくらいの方が人気が出るのだろうか
「まずはクラスメイトのみんなの親睦を深めて欲しいからこんなのを用意して来たの♡」
そう言い岩倉先生は紙をみんなに見せた。
名前、誕生日、好きな食べ物、好きなスポーツ、趣味を書く欄が用意されている
岩倉先生は自己紹介カード(?)を配り終えるとタイマーを5分にセットした。
「5分測るからそれ書いてちょうだぁい♡!」
趣味か...ゲームしかないんだよなぁ...それもオタクがやりそうな馬鹿正直にそのゲームの名前を書くのは本格的に終わりそうなので一括りに「ゲーム」と称する事にしよう。
名前 小野優斗
誕生日 11/3
好きな食べ物 醤油ラーメン
好きなスポーツバスケ
趣味 ゲーム
よし、これなら普通の男子高校生っぽいだろう
作者から
ラブコメ書くって難しいね。
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