第2話
俺は人と話すのが好きだった。
みんなも最初は笑顔で俺の話を聞いてくれたんだ。
でも…いつからだろうか。次第にみんなが俺から離れていった。
誰かの悪口を言ったりはしてない。
俺はただ周りに起こった面白い事や自分の好きなことを話していただけだ。なのに、なのにみんなは俺が転入してきてから1ヶ月ほどで俺が話しかけようとするたびに俺を避けたり、目を逸らしてどこかへいってしまうようになった。
そして気づいたら…
「ヒトリ…ぼっチに…ッ!」
孤独な学校生活が始まってから2ヶ月の月日が経った頃だろうか。
学校の帰り道の途中に横断歩道で信号無視した車に轢かれて…死んだ。
俺は部活の方でも1人でラケットを振っていた。
ラリーしてくれる相手もいなかったから、丁度この日部活を辞めたんだ。そして憂鬱にな気分になりながら帰っていたのもよく覚えてる。
死んでからすぐに、その場から俺は動けた。
しかしふと周りを見てみるといつもより視線が高い気がした。
自分の足元を不意に見て見ると…俺の死体が転がっていた。
…それから自分の死を認めたときに、瞼が重くなり気を失った。
そして次に目覚めたのは今日、この日だった。
俺はもしかしたら誰か気づいてくれるかもしれないと学校に一年ぶりに入った。
昇降口のすぐ右には体育館がありそこに生徒が集まっていた。
俺が恐るおそる入ってみると全員が目を瞑って手を合わせていた。
「え…」
「デ…モ…」
そこには1人も、俺の死を嘆いている人などいなかった。
『あいつうるさかったな』
『誰だっけこいつ』
『学校の評判落としおって………』
教師も、生徒も…テレビ局も来ていたが奴らもネタにすることにすることしか考えていなかった。
俺が何をしたんだ?
……何が悪かったんだ!?
俺はただ…みんなと仲良く…………
でも誰1人として俺との青春を望んでいなかった。
ただ、それだけなのかもしれない。
でも1人だけ…俺の死を…悲しんでいる奴がいたな…
『安らかに…さようなら』
それはお前だったなァ…怜……………
夜更けに現れた来訪者 蒼木海音 @aokikaito
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