第23話 女神の使徒
『我らはな、お前が転生した後も修行に励んでいた。臨終して約一年間はポッカリ穴が空いたようになっていたがな。お前が転生したならまた会えるかもしれない、と修行にも力が入ったのだ。』
「うわぁ、それ嬉しいよ、ヤムリ。僕も本当に二人に会いたかったから……。って話が始まる前に僕も今日の修行をしていい? すぐ終わるから。」
修行の話をしていたら今日の分やっていないことに気がついたよ。
やっぱり毎日やらないと落ち着かないんだよね。
あれ?
ヤムリとチグルから何を言ってるんだ? みたいなオーラを感じるや。
『ヤクル……。流石に何時間もお前の修行を見れないぞ? 今日はやめにして話の続きをしないか?』
『ですね。私も久しぶりなのでヤクルさんとお話を楽しみたいです。』
あれ?
あ、そうか、チベットにいた時は半日くらいかけて修行してたもんなぁ、二人とも。
「あ、ごめんね。伝えてなかったけど僕転生してからオーラの移動できるようになってさ。なんなら得意なんだよね! 十分もあれば終わるからちょっとだけ待ってて!」
言った瞬間から身体中のオーラを動かし始める。
よし!
今日もいい感じに漲ってるな!
『……おい! なんだそのオーラの量は?! それとなんでそんなに移動が早い?!』
『やっぱりおかしいです……。ヤクルさん……。』
「うーん。量多いよね。僕もそうじゃないかと思ってたんだよねぇ。移動は毎日頑張ってたら早くなったんだ! これ、すごいでしょ?!」
『ヤクルさん……。すごいどころじゃないですよ? その1日分のオーラ量、私の一生分より多いと思います。それを十分でチャクラに……。』
『ナディ様の使徒として転生したのだから、普通ではないと想像はしていたが……。軽く超えてきたな……。』
うん、ちょっと分かってた。
送ってくれた時に感じた、宮殿に集まってたみんなのオーラ量より、僕が1日に扱えるオーラ量の方が圧倒的に多かったもん。
でもそれだけ解放に近づけるんだからいいことだよね?
ね?
「と、とりあえず今日の分は終わったよ? さぁヤムリ、話をして。」
『うむ、まぁそのあたりはこれから調べていこうか。さて、修行していた時のことだな。いつものように第七にオーラを溜めているとナディ様から交信が来たのだ。』
『もうヤクルさんが転生されてから七年くらい経ってましたよね?』
二人がいい感じで合いの手を入れながら話してくれる。
もう長いから息がすごく合うよね。
『ああ、それくらいだったな。内容はな、簡単なことだった。『ヤムリ、チグルの二人とも。ヤクルのことで大変お世話になった二人には涅槃に至る許可を与えようと思います。しかし、あなた方にはもう一つ道があります。ヤクルと共に私の使徒になることです。どうされますか?』と言われた。恥ずかしい話な、使徒について全く知識がないのに我らは使徒になることを選んだよ。』
『即決でしたよね。あんなに涅槃に憧れを持っていたのに……。私も何も後悔はないですけどね。』
嬉しいけどさ……。
いや、ほんと二人に会いたかったから嬉しいけどさ……。
チベットの僧侶たちの本懐でしょ?!
いいの?!
そんなに簡単に?!
『ふふふ、ヤクルは何も心配せずとも良い。その後チグルと二人ナディ様の元へ召喚されてな。我らも修行をしてもらったのよ。そのおかげか、リンポチェとして何度転生しても得られない実力をつけれたよ。』
『そうですね。もう思い出しても身体が震える修行内容でしたが……。後悔はありません、先ほども言いましたが。』
「修行内容、聞きたいような、聞きたくないような……。でも、納得して側に来てくれたならこんなに嬉しいことはないよ! ありがとう、二人とも!」
『うむ、それでな、使徒としての仕事を受け賜ったのだが……。』
異次元の話がこれから始まる。
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