第八話

「いやー、やっぱ屋上良いなー!風あって。ほら、太郎君、食べよ」

「うん…」

俺は、優花に無理矢理連れられて、屋上まで、来た。

「ねぇねぇ!太郎君のお弁当箱の中身何?」

「ご飯と、卵焼きと、タコさんウインナーと、ハンバーグだよ」

「ふ、普通!てか、その中身は…小学生のお弁当じゃん」

「う、うるせぇ」

「い、ぷぷ、いいんだよ。ぷ、ぷぷ。人それ、ぷ、だし…ぷぷぷぷ」

「笑いながら、弁明しないでくれる?」

「ごめん。さっ、食べよ」

弁当箱を、開け食べる。

「じー」

とオノマトペで、見てる仕草を、感じさせる。その方向には、

「タコさんウインナー?」

優花はうんうんと、頷いた。そうしたら、

「あーん」

「えっ?」

口を開いて、まるで、何かを求めるような目をしてる。だが、あーんは、ダメだろ!恥ずかしい!恥ずかしすぎる。

でも、優花の事だ。やんないと、何かしらやられるだろう。

「はい」

と口にやった。

パクっと、美味しそうにほうばると、俺の箸を取って、優花のお弁当の中の卵焼きをとると、俺の口に入れる。

「これ、私が作ったの。どう?」

とキラキラした目で俺をみる。

「美味しいな」

これは、心の底からの本音だ。

「良かった」

何だよ。何でだよ。

何で俺の心はこんなにうるさく鳴ってるんだよ。「あっ。太郎君。関節キスしちゃたね」

あぁ。本当にどうなってるんだ?

俺が、こんなに心臓が早くなるわけない。

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