第2話
枯れた枝に申し訳程度に残った葉、そして、長年結び付けられた、収穫した梅の実の数くらいの鈴。
祠は小さな石の障子が砕かれて。
中から一枚の皮でできた地図が出てくる。皮なんてものが珍しい。地図には枯れた古木のあたりに四角いマスが書かれていた。
木のあった場所を掘る。箱が出て来た。石とも木とも見える、硬い箱だ。まだ掘り出しきれず、底は見えない。どれくらいの長さなのか。隅に小さな穴が空いていた。大人の指が一本入るくらいか。
蓋だけは開けられそうだ。
これは、なんなんだ。
開けると、中から今まで誰も聞いたことの無いような心を打つ、金属の音がする。
持ち上げられる蓋。垂れ下がる、小さな鐘、箱の内部は。
灰色になった木乃伊が座っていた。
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