第15話英雄と呼ばれる前の話 その15

場所アルボレナ


登場人物

ゴトー17

ゴトーptの4人

母スペイド

バーキュラ エルデバランのバラン


【本文】

索敵

透明なオーガ魔石を背負い、索敵魔法DEXを起動する

DEX1を発射して反射波からxyzの位置情報を割り出すため三角関数の連立方程式を3回計算する(これは新しく索敵をするためにする)

DEX1計算結果をDEX2の魔力で微分をして魔力のある魔物の数に絞る

次のDEX3の発射前に魔物の数の計算を終え、魔物のxyzをもう一度計算する

そうすると引き算で位置関係DIST、角度θ、それぞれのxyzの方向の他に進行方向RADのxyzが計算される

次のDEX4で位置関係DIST、角度θ、進行方向RADのxyzが再計算され、3回目と4回目の差が索敵情報になる

ここまでいいかな?


次は索敵情報から追従

索敵で得られた位置情報は魔法行使者は変わらず、4回索敵をすることで位置情報DIST距離と角度θ進行方向RADの3つのxyzを求めた

RADの計算はDEX4からDEX3を引いたものだから、位置情報がDISTとθをDEX3からDEX2を引いたものなので方向RADが異なる

遅延が生じるのでDEX4からDEX2を引いてRADの差を埋める必要がある

これで追従ができる

これによって4回DEXを発射することで索敵情報が集まる

ここまではわかったかな?


追従から魔法行使だ

角度θ用魔力偏向ノズルは単独、進行方向RADは加算、DISTはX,Y,ZのそれぞれのRADを補正しつつ出力回路に接続する

DEX4回に1回の発射なので、発射カウンターが必要になる

角度θがRADとの誤差が0になれば追従していると判断しACTIVEになる


RADのXYZ、DISTのXYZ、6つがアクティブでθの誤差が0になって初めて精霊魔法は遠隔で魔法攻撃できる

こうすれば最も容易に設計できるとわかるよね?


実際魔法を使うのは魔力のある魔物だけではない、大きな熊はゴブリンより強い

DEX4回の間に移動して、使用者の進行方向をアルファとすると、アルファ方向に移動をすると索敵なしで魔法を発射することができる

移動しないで魔物に魔法発射、歩けば魔物なしでも発射できる


DEX4回ごとなので現状では攻撃魔法の待ち時間3秒x4の12秒後ではないと発射できない

さわりだけだがこんな感じでこれまでの精霊魔法の計算方法を変更し【新型計算機】を作って書き込んでいた


こうすれば索敵8分と魔法発射5分よりはるかに早くなる


今のところ発射範囲は攻撃魔術の扇型に合わせた

オーガ魔石に魔力を伝えればフェンリルが攻撃魔法の3秒に及ばないが12秒で発射される


さて眠い話は終わりにして問題の新規のptの分だ

人口が増えその分ptが増え魔石を新規に作る必要がある

新規のptはタレントとスキルに恵まれて16才で集め始めても使えるのに35歳は遅すぎる

資金も使うし年齢も重ねてしまう

エフカさんは3代続けて攻撃魔術師で爺さんの代から魔石を大きくしたので、早くに大魔術師になれた


ゴトーが作ろうとしたのはゴトーは魔法のスキルが高いため威力が強く距離も遠くまで届く

その精霊魔法は先ほど書いたようにそのままだと属性魔術の魔力消費2倍だ

ゴトーの有利なスキルで条件で魔法を新たに制作すれば、3つの魔石で魔法が高威力で使えるかの試験で作ってみた


外に出て試験だ

ゴトー『フェンリル』 ヒノキの棒に冷たくない氷がでる

軽く振ると目標の木に氷が付く、、、、成功だ

フェンリルの精霊魔法を魔石に直接書き込んだので、ゴトーは魔力は36減ったが魔法は発動させていない

計算機を内蔵させたのでこれで魔力があるものは精霊剣使いだ

発動までの待機時間は12秒ほど、それまでの8分と5分の13分よりはるかに実用的だ

威力はよくわからなかったが、学校の石の剣よりは強そうだった


詳しく見るとアクティブスキル200%のまま威力200%だったようだ

威力は習熟が進めば最大666%になる

威力が200%なら威力を100%に落とし消費魔力抑えることもできる

現状で発動まで12秒と3秒の違い、そもそもの攻撃範囲の狭さなど欠点はあるが、確認のため現状の威力200%から100%に抑えると消費魔力は1/2になった

さらに進めば威力はそのままで1/6.66になる

精霊剣の量産は威力200%でよいだろう


攻撃魔法は使い勝手が良く、これまで魔法といえば攻撃魔術師の属性魔法のことだった

索敵いらずの扇型範囲攻撃は、威力減衰するデメリットはあるが、範囲を絞れば強力になる

索敵はいらず体を攻撃対象の正面に向けるだけでよい


精霊魔術にはまだまだ課題が多い

ただ発射時間は計算機の能力向上を進めると、攻撃魔法より早く発射できる

威力も高くできる、消費魔力も少なくできる

ゴトーはこの手順で製作していけば使われていない精霊魔法の使い勝手がよくなるのではないかと思っている


欠点は魔石を大量に使う、フルサイズ72の魔石3つが必要

今は12秒後に発射で遅い、計算機の性能向上が必要と計算の理論構築が必要

範囲攻撃はできるが扇型ではなく円形になる、円形から扇型発射にする必要がある 新たな魔法回路の設計能力が必要


最大の欠点は2つもある

索敵が終わらないと遠距離には魔法が使えない

武器で直接攻撃できる勇者の剣に魔力連結をいれると回復魔術師のソートを妨げる


ゴトーがフェンリルの試験をして解析をしていると、エフカさんがメンバーを呼んできた

エフカさん「俺も使えるか?」

ゴトー「出来ますよ」

エフカ「フェンリル」 同じように氷ができる

軽く振ると別の木に命中した

ピロリさん「俺もできるよな」 当然できる

ゴトーよりタレントが良いピロリさんのほうが消費魔力は少なくて済む

ドルマさん『発動早いな 15分だったよな』

元から使えるドルマさんは結構冷静だ、ゴトーは使われていないので他の授業を受けていたのでわからなかった


さて今回の制作の目的、ミグロさんに「多分出来ますよ」といって渡す

ミグロさんは魔法が一切使えない パッシブスキルで全滅だ

ミグロ「フェンリル」氷ができたことに感動している

恐る恐る振ると 手前の木に氷が付着する

ゴトー「もう少し 狙って力強く振りぬいてくださいよ」

ミグロさんはパッシブスキルで魔法全滅だ、これまで魔法は回復の魔力の受け渡し以外使ったことがない

最初だから治療に渡す最低限の魔法しか使わなかったのだろう


ミグロは「フェンリル」と唱えいつもの素早く力強い剣で攻撃する

今度は通常の魔力受け渡しの3倍ぐらい使った

木に一面の氷斬撃で樹木の枝は1/3は無くなった

20m先から扇形に広がり全体攻撃ができた、計算通りだ


精霊魔法は円形攻撃になるが、魔力がより削減できる手前から扇型に変更している

これまでの攻撃魔法のように距離減衰が発生する

索敵が使えないので攻撃方向に5.6歩歩く必要はある

それでアルファを作り索敵しなくても歩いてきた方向に発射だ


ゴトーが頭が痛くなる計算式と格闘した成果あるというものだ

ゴトー「魔力が抜けていく感じは慣れてもらうしかありません」

ミグロ「おれにも魔法が使える日が来るとは」といってそれきり黙った


索敵に時間がかかるが、その分出力回路は削減した

索敵が一致することが基本だが、魔力のない動物の捕縛には使えない

このフェンリルは現在の20mから扇型固定の発射回路にした


魔物は索敵で計算をしているが、エネミーの位置はアクティブにしただけで12秒に一回発射だ

これまでの攻撃魔法の3秒が12秒になったが、同じ動作になるようにした


原理原則を実行するには魔石1つではなくもっと高性能で素早い計算が必要だ

72魔石1つで済む攻撃魔法と魔石3つを使ってやっと同じことができる精霊魔法は『なんとか使える』、その程度でしかない


ただ、魔力のない動物に使うとDEXは動くものに反応はするため狩猟用の魔法剣になる

魔力調整次第では弓より優秀な武器になる


フェンリルの作成報告を西南の冒険者組合に提出する

ゴトーが提出してゴトーが受取人だ、これで西冒険者組合まで戻ってもらおう


タイトルは”魔石をゴトーが作って精霊魔法を制作すると誰でも精霊魔法剣が使える報告”だ

”採集と生産系の人でも関係なくフェンリル使えて狩猟がはかどります”が副題

締めにはゴトーの魔石制作はアクティブスキル200%でチートだよ報告書に書いて提出した


最大の問題点2つのせいなのか、報告出すとその日に西から、次の日には中央から連絡が来る

中央冒険者組合からは貴重品のインカムをオーガ魔石付きでわざわざ持ってきた

「フルサイズ魔石制作のお願い」の手紙まで入っている

アルボレナからの連絡は『オーガ魔石送るから72にして送り返して』ばかりだった


おい、おまえら そっちかよ 誰でも精霊剣じゃないのかよ

狩猟にものすごく便利だぞ


魔石制作もやってみて損はない、銀貨が得られる

エフカさんの手ほどきもある、ゴトーも機材を買ったので銀貨の回収は絶対に必要だ

エフカさんからは『他のことはいい、魔石作れーーーー』ということで冒険者組合のことは立ち上げが終わったということもあるがすべて他人任せになる


魔石は大量に中央から持ち込まれ、2つ同時のフルサイズ72魔石制作で馬車3台の魔石が3日で無くなった

192魔石は学校で習った、攻撃魔法と属性発射切り替え、精霊魔法の魔力受け渡し、回復魔法、精霊魔法すべてコピーで192魔石に書き込んである

フルサイズ魔石を作って目的に応じて貼り付けして渡す

18時間ずっと魔石を片付けているので、追加で届いてくる魔石も次々無くなっていく

3日目にはアクティブスキルの200%が300%を突破した

それから3日間は徐々に効率が上がっていき400%まで伸びた

これが装備制作50%の威力よ、ゴトーは努力はしていない

タレントなしの2倍生産できるなら魔力を使えるだけ使ってみた

チートだよとこそっと最後に報告書に書いただけでこれだ

たった6日で200から400%だ、15年の育成?そんなことコツコツゴトーがやるかよ


首都から連絡が来たのは卯月の20日

魔石制作をする傍ら有料で販売する3連射自動弓の開発と設計と大切な販売計画だけはみた

これで西南も即時の売り上げが期待できるだろう


首都エルデバランからの通信はバランのバーキュラからだった

バーキュラ

『ゴトー君かな 良いものができたようだ、エルデバランに来てくれ』

ゴトー

『新規開拓地なので仕事が沢山ありいけません』

バーキュラ

『では出向くので首都まで来てくれか、装備の人員に教えてくれ』

ゴトー

『それならこちらに来られませんか?仕事放棄は嫌です』

『開拓地の視察ですから、行くなといわれないでしょう』

バーキュラ

『バランの俺が動く理由にならない』

ゴトー

『こちらでは魔石の制作依頼が多く、冒険者組合の立ち上げもあります』

『まだ無料期間ですからエルデバランには行けません』

バーキュラ

『余りにも影響が大きすぎて当面広報できない』

『この通信で来た報告書だと誰でも魔法剣がつかえるんだな』


やっとそっちか

もうすでに冒険者組合には報告してそちらに報告が届いたと思うのですけど?

広報するなとはいったい???

ゴトー

『魔法剣ではなく、精霊魔法の武器転用です、狩猟に非常に便利で現在活用中です』

『そんなことよりお金稼がないとあと3カ月で銀貨が無くなるんですよ』

『金がないから動けません』

バーキュラ

『こんな危険なものが強盗団にわたってみろ、国が荒れる』

『他国に渡れば国が壊れるわ、今のとこと秘中の秘だ ゴトー君』

『金はどうにもなる』


ゴトーは命名 国が壊れる剣だと思いながら

『現状では武器製作は必須です、兵士0、自給0%でどうやって動くんですか?』

『魔物を討伐して狩猟して生活するのですからこの剣は必要です』

『魔力のない狩猟に最も効果を発揮するんです』

バーキュラ

『それは確かに有用だ』

『しかし悪用もされるだろう』

ゴトー

『こちらは弱い奴は死ぬ、油断すると死ぬ、金がないと死ぬ、そういうところです』

『この武器で収集パーティーでも生産パーティーでも狩猟をする必要があります』

『自給0%をエルデバランでもされてはどうですか?』

『95%は10日後には死にますよ』

『その場所から人を抜くのですか?、追加なしで?』

バーキュラ

『自給についての問題はわかった、金のこともわかった』

『俺が直接対応をするから心配をするな』

ゴトー

『兵士の派遣すらしないのどういうことですか?』


【いい加減にしろ、自分の都合だけを押し付けるな】

【こんな武器1つで国が滅びるなら滅んでしまえ】

【話にならん】

通信をぶち切った


大きな声で話したので何事かと住民が集まってくる


再度通信がつながる

バーキュラは起こった声で

『仕事も金儲けもしなくていいからエルデバランに来い』

ゴトー

『いやだ』

『自分の馬持てたのにそんな変な場所にはいかない』

バーキュラ

『変とは何だ、馬も持ってきていい、金のこと心配するな 兵士が、、、、派遣されてないじゃないか』

【どうなってるんだ】


がやがや後ろで通信相手以外の声がしている


ゴトー

『兵士もいないし、兵士の建物もありません、新規開発で索敵がいないんですよ』

『兵士でも24時間勤務の後は解放されますよね』

『やっているのは私だけですが、ここでは最大48時間索敵があるのです』


【これは明確なアルボレナの開発政策の失敗だ】

【だから最初の通信で『こちらに来ないか』とお聞きしたんですよ】

『返答はなんでしたか? バランだと簡単に動けないでしたね』

『自分たちの失敗を対処もしない、改善もしない、修正もしない』

『そんな人たちからの要求を受け入れたくありません』

『これが私の主張です』


『24時間拘束が兵士の最大稼働でしたよね』

『自分たちで決めたことも守れないのですか?』

『だからそんな【変な場所】にはいきたくないのです』

『これが行きたくない理由です』


『ここまで丁寧に説明しても【まだ】理解されませんか?』


バーキュラ

『理由はわかった、そんな状況とは知らなかった』


【おまえら、、、どうなってるんだ】

【兵士がいねえだろがー】


『あ、、ゴトー君か』

『そちらは【す べ て お れ が 対 処 す る】』

『主張も理解した 確かにこれは失敗だ』

『そちらも【す べ て お れ が 対 処 す る】』


『人員派遣は今すぐする』

『迎えに行かせるから仕事せずに待ってろ バラン命令だ』

【バラン命令だぞ 働くなよ わかったな】

今度は向こうからぶつ切りだ


ゴトーは怒ってはいないよ

相手のバーキュラも、おい一体どうなってるといったのはエルデバランにいる周辺の人たちだからな


行きたくないのでいろいろ理由をつけて断った

嘘は言っていってない、南の国外拠点の立ち上げが先だろう?

なんで兵士がいないんだよ

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