第7話英雄と呼ばれる前の話 その7
場所アルボレナ
登場人物
スリーセブンの発案者 スチーブン
駆け出し商人 ゴトー
ミグロptの4人
勇者カンデラ 46
大魔術師 クックアール 33、ロゾナス25
索敵はローキーン 44
回復魔術師 エランデル 40、ゲットラテ 36
本来索敵のケラゾン39、スカードト38、ワイトベック35
【本文】
一方オークでは4,5本で行動遅延の呪いの状態になった
効果の高さは冒険者もわかってもらえたように思う
何よりよいのは濃縮シビレ草の他は乾燥レンゲ草で入手しやすい
2つの草の効果でより強い効果は表れなかったが入手が容易で幅広く活用できる
皐月に入ると提出した濃縮シビレ草の正式採用が決まった
人間にも効果があるので一般の商店では売れず、冒険者組合専用品、銀貨5枚で販売だ
製造はゴトーの報告通りドロッとした濃縮部分はシビレ草を煮込んで乾かすこと8回で濃縮シビレ草を作る
また濃縮シビレ草の生産のためシビレ草だけの耕作依頼をクエストで出す
冬の一時期以外季節に関係なくとれるシビレ草、どこにでも生えて馬用のウマウマ草扱いだったが他にいい用途を見つけた
シビレ草専用の耕作希望者は8名全員従事してもらう
濃縮シビレ草は煮詰めてよい効果が得られるので誰にでもできる
ゴトーも冒険者組合経由で買うが、発案者ということでさらに耕作者と別に収集の依頼も出した
これは33人応募があった
草刈りで仕事になるならと応募をしてくれた
専業で暮らせるわけでもないので、先の応募したシビレ草の濃縮者に直接渡してもらう
シビレ草を刈って輸送をして濃縮施設に持っていくクエストにした
さして金銭的には寄与しないが、邪魔ものの処分がお金になる
まじめにやっても月に銀貨40枚も行けばよいほうなので閑散期の収入にはなる
中央の冒険者組合でも話題になっているようで『レシピ、、、、マネするけどいい?』と問い合わせが44件あった
東の冒険者組合からも35件連絡が来た、内容は同じ
西北冒険者組合は遠いのでこちらから連絡した、既に活用中だ
西北冒険者組合にシビレ草が多く生えているので収集が始まった
ゴトーの住む西北0日では季節もよくなり作物の作付けが始まった
草刈りのついでに収集してもらおう
最近春の陽気で朝からにぎわっている、寸胴を持って走る冒険者の季節になった
寸胴提供を始めたのが西北冒険者組合だ
最初の西北冒険者組合は西冒険者組合から北上していき、馬車で一日6時間走った位置に作られた
西北の酒場は2時間おきにあり、ゴトーは0日目の中間の位置に住んでいる
今は酒場だけになっているが西北冒険者組合を作るときの休憩施設が今のゴトーの自宅近くにある西北の酒場だ
農地を広げながら栽培をクエストにして、冒険者組合の真似事も最初の西北冒険者組合で始まった
それまでは冒険者が各自で用意していたが、セミオーダーで中身の寸胴の食材が変更でき、薪が少なくて済むように7人まで一斉調理できる器具を開発した
名前はスリーセブン、スチーブンが7人用の器具を開発したので名前が付いた
春のこの時期苗を運ぶ需要があり馬車が忙しく動いている
ゴトーは西北1日目を中心に回って作付けの手伝いをしている
農作業に向かう作業者に馬車1台をゴトーがレンタルしていて南北方向を中心に農作業に向かう人々に使ってもらっている
このまま季節は進み卯月末に冒険者の情報が一斉更新される
ゴトーは駆け出しのCランクのまま
順当に仕事を割り振りしてクエストのランキングは約3万人中何と8位の快挙だ
やはりシビレ草の収集が採用されたので一気に上がった
どこでも生えている通年草で従事者は700人ぐらいになったクエストだ
めったに褒めない母が『ゴトー このクエストは素晴らしい でもさらに精進しないと駄目ですよ』だ
やはり冒険者の役に経ちクエストで動く人間が多いと、ゴトーも有名冒険者の仲間入りだ
母は調子に乗らないよう戒めているのだろう
国外拠点で採取した種類のうち3種類は柵内で育って出荷できた
収集から生産クエストに代わりゴトー抜きでも安定して稼げるようになった
あとはゴトーの依頼を外して冒険者組合にクエストを通年で作った
環境の影響で他の4種類はまだ収集クエストのままだが、これは他の冒険者に任せてみる
ゴトーは新しく弓の生産を始める
1旧来の短弓を改良したい
2複数まとめて新型弓を作りたい
弓だけではなくて矢じりの改良もしたいし、命中率を上げる弓も作りたい
弓はやはり扱う人間が多いため安定した収益を得たいのだ
短弓を5つ連動させて一斉に発射すれば命中率は高くなるだろう
それには設置型で決められた場所に飛んでいくことが望ましい
国外拠点にある魔物用の弩弓は距離を延ばすため大型で持ち運びできない
剣も槍も改良点は少ない、改良するなら弓が良い
短弓の制作施設は西冒険者組合近くにあるので、先に制作を学んでみる
研修に今年いっぱいの予定を立てた
西冒険者組合の短弓製作所にお邪魔して2週間たったころに、西の南の森でアークゴブリンという大型種のゴブリンが目撃されその討伐チームにゴトーは加わった
アークゴブリンは体内に通信結晶を持っている
討伐難易度は最低【 F 】、今のゴトーでは受けれないのでゴトーは呼ばれないと思っていた
連絡はミグロさんからきた、14人の討伐チームの一人に加わった
収集系をしない討伐系となると一気に人が減る
ミグロさんが集めたいつものパーティー4人以外は初体面だ
勇者カンデラのチームは6人パーティーで本拠地は西の柵の討伐系バーティ―
あとの3人は索敵と補給の商人を兼ねている
今回は武器、武具は討伐系の特徴で武装を目一杯乗せている
ゴトーは普段のように自分でオーダーしてクエストを受けるかと思ったが、強敵のため冒険者組合から直接出る難易度【 G 】の仕事だ
ゴトーの役割は 索敵兼商人の護衛だ
前線ではないがアークゴブリンはゴブリンの集団を呼ぶ
その対処のため索敵は多めだ
いつもの4人に加え勇者カンデラのチームは
勇者カンデラ、大魔術師 クックアールとロゾナス、索敵はローキーン、回復魔術師はエランデルとゲットラテ
商人兼索敵のケラゾン、スカードト、ワイトベック
もうガチンコ討伐系といえばいいだろうか、普段から討伐系しかやらないカンデラパーティー
全員ランクFというかランクFからしかパーティーに入れない
勇者カンデラはおそらく来年Gに上がる歴戦の勇者だ
簡単な討伐系はランクの低い冒険者のサポートにまわり収集系はまったくやらない
武功がないと別パーティーも拒むと聞いていたので、ゴトーなんて呼ばれないと思っていた
カンデラは仕事に拘りが強く、自身がこの人物は見込みがあると感じないと呼ばれない
カンデラパーティーは有名で討伐系といえば真っ先に声が上がるが、収集は一切やらないため年齢のわりに冒険者ランクは高くない
今回はミグロさんのサポートに来たといっていた
勇者ミグロさんと話が終わりカンデラさんがゴトーに向かって歩いてくる
カンデラ
『ゴトー君は君か?』
ゴトー
『声をかけてもらってありがとうございます ゴトーです』
カンデラ
『君には商人の護衛を頼む、君は索敵の距離が長い』
『彼らも索敵だがアークが大量に呼ぶゴブリン対策だ」
『キマイラをしのげた力は本物だ 君はまぐれ、運がよかったといってるが、ま ぐ れ ではないな』
『報告書を見たが 一人でキマイラの相手とはなかなか能力が高い』
『通常ならキマイラの餌食だし、逃げて帰れない』
ゴトー
「ただ必死でした 飽きてキマイラが勝手に諦めたのではないかと思っています』
カンデラ
『、、、ふむ、、、逃げ帰って討伐扱いに疑問を感じているな 彼から話を聞くといい』
『おーーいワイトベックこっちに来てくれ』
今回は商人扱いだが索敵のワイトベックさんがこちらに来る
カンデラ
『ゴトー君だ 君と同じキマイラを凌いだ奴だ、若いが有能だ 君の馬車に乗せてくれ』
ワイトベック
『よろしくゴトー君 初索敵で初遭遇、キマイラの正面にも立ったのだろう、、、』
『よくキマイラからよく生還できたね 普通はね、全員を連れて逃げれないんだよ キマイラは。。。』
この後も順に声をかけていくカンデラ
ゴトーには索敵のワイトベックさんだったが、回復のピロリさんにはカンデラパーティーの回復役2名、エフカさんには魔術師2名を紹介していた
紹介が終わるとすぐに現地に移動を開始した
移動中にワイトベックさんから当時のキマイラ討伐の話を聞けた
カンデラさんのパーティーに入る前、ゴトーと同じように索敵巡回中にキマイラに遭遇をした
当時は14人で攻撃の勇者4人、魔法攻撃1名、回復1名、あとは索敵8人だった
遭遇したのはキマイラ1体だった
周りの頑丈な鎧を着た索敵はばたばた襲われていった
当時の索敵は索敵が済めば頑丈な鎧で囮で襲われる役割だった
私(ワイトベック)は当時勇者、ケラゾンが鎧を着た索敵、スカードトは当時は珍しい1名の大魔術師だった
囮を襲ったキマイラにワイトベックは切りかかっていたが逃げられ、傷は与えられなかった
生き残った大魔術師スカードトもキマイラの魔法耐性を突破できないでいた
ワイトベックが別の索敵を襲っていたときに顔に傷を負わせ、一時優勢になった
すぐにキマイラが魔法攻撃に転じそれからは逃げて回避する一方だった
最初索敵は8人いた、もう4人まで減った
生き残りの索敵4人が囮になり、キマイラが囮を攻撃している隙にもう一度切りかかり魔法攻撃は止まった
魔法攻撃をやめたキマイラは、馬車に隠れた索敵を直接襲い始めた
次はワイトベック以外の勇者3人を襲った
襲われている勇者の側面からワイトベックの渾身の一撃が2つの顔両方に深い傷を負わせやっとキマイラは撤退した
討伐にカウントされているが14人の索敵巡回中生き残ったのはわずか3人
ワイトベック、分厚い金属鎧に守られた生き残りの索敵ケラゾン
キマイラの魔法耐性を突破できなかった大魔術師スカードトが残った
めったにないキマイラ討伐で周りは浮かれていたが、キマイラ討伐以来おとり役として分厚い鎧を付ける索敵にワイトベック、スカードトは代わった
ワイトベックの考えた囮なしでの索敵巡回の40人案は40-51人の索敵に変わり現在に形が残った
馬車に設置された単発式の自動弓1対
短弓1つを索敵は持つ、弓矢は短弓用20本と馬車に予備20本を持っていく
分厚い鎧ではなく今の弓主体の索敵が生まれたのもワイトベックの提案からだった
正式に『ワイトベック探索』で採用された
勇者2魔術師2回復2以外すべて索敵で弓矢と馬車の自動弓を使う
ワイトベック
『君はまぐれ。必死だった、運がいいといってるが、見逃してはくれないよ』
『僕が勇者当時は索敵はおとり役で、いかに勇者が剣で攻撃できるかの訓練だった』
『索敵は金属装備の重装備で避けれれなかったら囮だ』
馬車に積んである分厚い鎧、見た目からしてあまり動けそうもない
『囮を攻撃している魔物を勇者4人で一斉に攻撃して討伐していた』
『ところが遭遇したキマイラは魔法攻撃で分厚い鎧の索敵をバタバタと倒していった』
『勇者も先に魔法攻撃を受け慌てふためいてた 3人の勇者が固まっていてね』
『3人の勇者が襲われていて渾身の力で剣を揮った』
『キマイラを斬撃でよく退けたとほめられたが内心は惨めなものさ』
スカードト
『俺もただ生き残っただけで英雄扱いだった 英雄?針の筵(むしろ)だっだよ』
『魔法使ってただけで、さして生き残るために何かをしたわけじゃない』
『魔法、、、、障壁とも言ってよかったほど魔法は通じなかった』
『火魔法をほぼ無効にする力持ってたんだ』
『当時は弱点を看破するなんて考えがなかった』
『今の言葉では魔法耐性といわれるものだね、得意な火魔法で攻撃しても耐性があるから意味がなかった』
『僕に弱点を教えてくれる索敵からキマイラに真っ先にやられてたからね』
『ケラゾンは僕の囮になって、魔力補充をしてくれた』
『ただね、、、意味のない火魔法を使ってました、それで英雄だとさ』
ワイトベック探索で生存確率は上がり死者の出ない探索が普通になった
ゴトーは勇者時代のワイトベックを知らない 16年前のことだ
馬車を運転していた索敵のケラゾンからも休憩の時に
『囮として襲われなかったのでスカードトに魔力を補充していたんだよ』
『勇気を出して前に出て囮で死んでいった仲間たちには申し訳なかった」
『当時のキマイラは魔法攻撃はしないとされていた、魔法に対して無防備だった』
『キマイラの魔法攻撃はこの鎧では防げなかった、何もできなかったかな』
馬車に積んである分厚い鎧のことだろう
『英雄?俺はただ運のいい臆病者だ』
『ゴトー君は目の前に立って、足の攻撃も魔法攻撃も防いだのだろう』
『それで全員で帰還出来た、それがどれほどの偉業かわかったかい?』
ゴトーは『私の成績を見てもらえばわかりますよ、運よく逃げれただけですよ』とは言ってみたが3人にとって苦い記憶は消えない
16年前の当時は英雄を作りたかったのかなと思う
英雄本人たちはとても英雄ではないと口をそろえて言っていた
本人たちは確かにめったにないキマイラの討伐をしたので英雄でよいとおもう
今でもキマイラは出会ったら逃げるのが正解だ
索敵が弱点看破しずっと弓矢で攻撃をして勇者の盾まで誘導する
攻撃魔法は弱点属性の最も強い魔法だけを使って攻撃をする
勇者は盾でいなし剣では戦わない、当時の常識外れを提案した
これまで兵士は15年で100回を超えるキマイラと会敵している
15年間の死者は69人、少なくない数だ
しかしこれは兵士の数で冒険者は0だ
勇者の剣で複数人で攻撃するパーティーを組むのが常識だったが、役割別に分け待ち構える戦術に変え固定構成で訓練するようになってからは、8人の兵士でもキマイラによる死者は年3人が上限になった、年間で兵士の死亡者0の年もある
14人パーティーから8人パーティに人員を減らして、攻撃力の足し算でキマイラの戦闘力を上回る戦い方から、戦術で負けない戦いに考えを変えたこの3人の功績はとても大きいよ
西の南のゴブリンの森に到着したが、森の中では人間側に分が悪い
木々が邪魔で索敵能力が落ちるし、攻撃能力も落ちる
アークゴブリンをいかにして森の外におびき出すかがカギだ
そのための食糧馬車が3台持ってきた、1台につき寸胴を4つ用意した
1つ降ろして森の手前においておく
薪で温め匂いを周りに振りまく、ゴブリンでは届かない2mの寸胴
体高が2mと少しのアークゴブリン用の食料だ
1日目は空振り ゴブリンは近づいてくるが小さなゴブリンでは届かない
諦めて森に帰っていく、、、、数は60匹ぐらいと多い
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