第7話落ちこぼれ魔法剣士が英雄と呼ばれる前の話 その7

場所アルボレナ


登場人物

ミグロptの4人

勇者カンデラ 46

大魔術師 クックアール 33、ロゾナス25

索敵はローキーン 44

回復魔術師 エランデル 40、ゲットラテ 36

本来索敵のケラゾン39、スカードト38、ワイトベック35


【本文】

ミグロさんから『ずいぶん楽だったよ 今回』と褒めてもらった

エフカさんは一回も魔術を使っていない、索敵のドルマさんは後方の警戒でゴブリンたちを追い払っていて、ピロリさんは半分寝ていた


ゴトー『この濃縮シビレ草便利ですよ』早速営業だ、シビレ草をレンゲ草を見習って5倍濃縮した

ドルマさん『無料でお譲りいただけるのでなりよりです』先制パンチをカウンターで返された

ゴトーは『初回無料ですから通常価格の銀貨50枚のところ、なんと栽培農家と直接契約して銀貨30枚のお手頃価格でどうでしょう』

ドルマ『でもこれオーガ専用でしょう お値段高すぎません?原価銀貨換算で1枚ですよね』

ゴトー『原価じゃ商売上がったりです 20枚でどうでしょう』

ドルマ『次回から10枚で買うのでよろしく』

ゴトー『なんとーー金貨10枚でお買い上げありがとうございます

   『倉庫にいくらでも置いてあるので銀貨5枚でいいですよ』

ドルマ『商談成立だな』


この会話中 寝ぼけてたピロリさんと自動弓使いエフカさんはオーガ魔石を取り出していた

ミグロさんに【働けーーー】と怒られていた


ミグロ『楽だった、毎回こうだと3名で来れるじゃないか?』

ゴトー『討伐の文献を読んでシビレ草の沢山生えているところで、動きが遅かった』という報告書見て閃きました』

金縛りの動作不能までは効果がないが、行動遅延の呪いと緩慢な動作になる麻痺の動作は確認できた


今回のオーガ魔石は銀貨880枚、、今オーガ魔石は不足して全土で売れそうだ

ゴトー『すぐに売ったほうがいいと思います 880枚近いですよ最近のオーガ魔石』

ミグロ『じゃいつもの均等割 1/5で売れたら即時入金だ』

ゴトー『毎度アリー』


ミグロさんのパーティーと南の柵近く別れゴトーは西冒険者組合で清算の手続きだ

南に住んでいるパーティーはこうして新人から駆け出し商人、、えっと、、冒険者になったゴトーの役割だ

冒険者の役に立てば何かおこぼれがもらえる、今回はゴトー以外の4人に確認を取って即入金

オーガ魔石は売却すると875枚ほどになっていた


続いてゴトーは5倍濃縮シビレ草のオーガに対する効果をまとめていた

シビレ草は従来からあり使っている、今回は濃縮方法を変えた

矢じりに乾燥レンゲ草を塗り、発射前に濃縮シビレ草のドロッとした液体に漬け発射する

オーガ限定だが実際はどの魔物にも効果は出る、今回のオーガは7本で効果は出た

初回無料で他のパーティーにも試してもらおう


魔法剣士の学校では弓は必須ではなかった

ゴトーが索敵なら弓があったほうがいいと思って練習をしていた

オーガは7本で動きが鈍くなるのが確認されたので、弓で攻撃しつつシビレ草を矢じりに塗った弓矢で攻撃してはどうかと提案する

シビレ草のレシピと製造価格と販売予定価格付きで採用を見込む


弓は動物を捕まえるのによく使われている

弓は短弓と自動弓と長弓があるが長弓は兵士しか使わない

基本は短弓だ

授業でもあるにはあるが、学校ではやはり剣術が人気で次に扱いやすい槍で占められている

それに剣で討伐したほうがかっこいいだろ?


他のパーティーも使ってみたところ効果は高かったようだ中央冒険者から呼び出しで効果を説明する

費用は確かに余計にかかるが、弓矢の発射本数は減り、弓なら比較的扱うものが多いということは強調した

回答はすぐには無理だが西でもう少し討伐数を見たいということだった


卯月の10日に砦を訪問しつつ恒例の国外拠点へいく

今回はゴトー発案の濃縮シビレ草の実地テストを兼ねる


西の国境から道から3日目、4か所目の国外拠点で今回はオークが出てきた

シビレ草の試験をしてみる

ただまっすぐ向かってくるオーク、勇者がとっさに攻撃をする

まだ毒矢は2本命中しただけで効果は確認できない

勇者ともみ合っているうちに次の突進で5本目、ずいぶん足がもつれているオーク

1回目の突進攻撃では勇者は躱すことで精いっぱいだったが5本刺さるころはもう歩くように向かってくる

当然魔法の餌食だ、勇者の力を借りるまでもなく8発命中する

勇者が首を切ってオーク魔石の回収の回収にかかる


矢が普通のほうはまだオークの勢いが止まらない

勇者が剣で応戦しているし矢も8本は刺さっているし魔法は2発命中した

腕に差があるわけではない Eランクの勇者同士だ

差は歴然で討伐できたのは8分後、魔石を回収したのはそれから3分後

こちらは討伐まで2分 魔石は同じように3分かかった

オークの個体差もあるだろうが5分以内と16分の差はない

濃縮シビレ矢の効果は高いようだ


今回はオークでも魔法を使えるオークロードとオークソーサラーもいた

止まって動かないのでは弓の的だ、4-5本ささると膝をついてしまった

勇者が剣技で一刀両断した

最初の突進は注意をしないといけないが効果は十分だ

その後も到着までにオークは37体ほど出てきたが同じような結果だ


5日目の最終国外拠点で結果をまとめておく

オーガだけではなくオークにも効果があった

結論は出たようなものだが、決定はゴトーの役割ではなく中央の偉い人の役割だ

次々効果の高さを口々にする冒険者たち

弓の扱いのうまい冒険者ではなくても、勇者が方向を変え弓矢が命中すればやはり4,5本刺さるとずいぶん動作が遅くなっていた

オーガで起きた行動遅延がオークでも確認できた


索敵巡回を無事届け、帰りでもオーガで濃縮シビレ草の効果を魔物で確認した

索敵は46人、ゴトーの進んでいる北側ではなく南側から6匹ほど向かってきた

キマイラとは違い見慣れているオーガ、索敵が濃縮シビレ草の矢を弓で攻撃していく

勇者は念のため前線に出るが、索敵22人でシビレ矢で個人攻撃しているだけで随分弱ってとうとう動かなくなった

オーガが近づくまでに12本ほど当たったようだ


動きが止まってからは勇者が「火魔法で攻撃」と指示を出す

今回は大魔術師が4人いるので一気に殲滅だ

強力な火の上位魔法 火炎 を次々撃っていく大魔術師

魔力消費が激しいので回復魔術師は魔力補充に忙しいが、索敵巡回の35m前でオーガは活動を終えた

それから帰り道ゴブリンも出てきたが、48人の索敵巡回を見るとすぐに退散する

これはいつもの光景だ


卯月の28日に西の冒険者組合に到着

誰も怪我をせずいつもの索敵巡回で済み、オーガ魔石72、オーク魔石72となかなかよい結果に終わった


ゴトーはシビレ草の効果のまとめたものを提出した

冒険者組合で扱っている 毒、金縛り、呪い、麻痺の解除に使う治療専用販売アイテムに新たに攻撃用の濃縮シビレ草が追加された

毒の体力削減の効果は少ない、金縛りの動作停止までは至らない

もう走れない行動制限の呪いと動作が緩慢になるまひ効果の3つが見込める

効果の高さは冒険者もわかってもらえたように思う

何よりよいのは濃縮シビレ草の他は乾燥レンゲ草で入手しやすい


皐月に入ると提出した濃縮シビレ草の正式採用が決まった

人間にも効果があるので一般の商店では売れず、冒険者組合専用品 銀貨5枚で販売だ

製造はゴトーの報告通りドロッとした濃縮部分はシビレ草を煮込んで乾かすこと8回で濃縮シビレ草を作る

また濃縮シビレ草の生産のためシビレ草だけの耕作依頼をクエストで出す

冬の一時期以外季節に関係なくとれるシビレ草、どこにでも生えて使用用途は少なかったがいい用途を見つけた

シビレ草専用の耕作希望者は8名全員従事してもらう


濃縮シビレ草は煮詰めてよい効果が得られるので誰にでもできる

ゴトーも冒険者組合経由で買うが、発案者ということでさらに耕作者と別に収集の依頼も出した

これは33人応募があった

草刈りで仕事になるならと応募をしてくれた

専業で暮らせるわけでもないので、先の応募したシビレ草の濃縮者に直接渡してもらう

シビレ草を刈って輸送をして濃縮施設に持っていくクエストにした

さして金銭的には寄与しないが、邪魔ものの処分がお金になる

まじめにやっても月に銀貨40枚も行けばよいほうなので閑散期の収入にはなる


中央の冒険者組合でも話題になっているようで『レシピ、、、、マネするけどいい?』と問い合わせが44件あった

東の冒険者組合からも35件連絡が来た、内容は同じ

西北冒険者組合は遠いのでこちらから連絡した、既に活用中だ

西北冒険者組合にシビレ草が多く生えているので収集が始まった

西北では季節もよくなり作物の作付けが始まった

草刈りのついでに収集してもらおう


最近春の陽気で朝からにぎわっている

寸胴提供を始めたのが西北冒険者組合だ

最初の西北冒険者組合は西冒険者組合から北上していき、馬車で一日6時間走った位置に作られた


今は酒場だけになっているが西北冒険者組合を作るときの休憩施設が今のゴトーの自宅近くにある西北の酒場だ

農地を広げながら栽培をクエストにして、冒険者組合の真似事も最初の西北冒険者組合で始まった

それまでは冒険者が各自で用意していたが、セミオーダーで中身の寸胴の食材が変更でき、薪が少なくて済むように7人まで一斉調理できる器具を開発した

名前はスリーセブン、スチーブンが7人用の器具を開発したので名前が付いた


春のこの時期苗を運ぶ需要があり馬車が忙しく動いている

ゴトーは西北1日目を中心に回って作付けの手伝いをしている

農作業に向かう作業者に馬車1台をゴトーがレンタルしていて南北方向を中心に農作業に向かう人々に使ってもらっている


このまま季節は進み卯月末に冒険者の情報が一斉更新される

ゴトーは駆け出しのCランクのまま

順当に仕事を割り振りしてクエストのランキングは約3万人中何と8位の快挙だ

やはりシビレ草の収集が採用されたので一気に上がった

どこでも生えている通年草で従事者は700人ぐらいになったクエストだ


めったに褒めない母が『ゴトー このクエストは素晴らしい でもさらに精進しないと駄目ですよ』だ

やはり冒険者の役に経ちクエストで動く人間が多いと、ゴトーも有名冒険者の仲間入りだ

母は調子に乗らないよう戒めているのだろう


国外拠点で採取した種類のうち3種類は柵内で育って出荷できた

収集から生産クエストに代わりゴトー抜きでも安定して稼げるようになった

あとはゴトーの依頼を外して冒険者組合にクエストを通年で作った

環境の影響で他の4種類はまだ収集クエストのままだが、これは他の冒険者に任せてみる


ゴトーは新しく弓の生産を始める

1旧来の短弓を改良したい

2複数まとめて新型弓を作りたい

弓だけではなくて矢じりの改良もしたいし、命中率を上げる弓も作りたい

弓はやはり扱う人間が多いため安定した収益を得たいのだ


短弓を5つ連動させて一斉に発射すれば命中率は高くなるだろう

それには設置型で決められた場所に飛んでいくことが望ましい

現状より小型化が必要だ


国外拠点にある魔物用の弩弓は距離を延ばすため大型で持ち運びできない

剣も槍も改良点は少ない、改良するなら弓が良い

短弓の制作施設は西冒険者組合近くにあるので、先に制作を学んでみる

研修に今年いっぱいの予定を立てた


しかし西冒険者組合の短弓製作所にお邪魔して2週間たったころに、西の南の森でアークゴブリンという大型種のゴブリンが目撃されその討伐チームにゴトーは加わった

アークゴブリンは体内に通信結晶を持っている

討伐難易度は最低【 F 】、今のゴトーでは受けれないのでゴトーは呼ばれないと思っていた

連絡はミグロさんからきた、14人の討伐チームの一人に加わった


収集系をしない討伐系となると一気に人が減る

ミグロさんが集めたいつものパーティー4人以外は初体面だ

勇者カンデラのチームは6人パーティーで本拠地は西の柵の討伐系バーティ―

あとの3人は索敵と補給の商人を兼ねている

今回は武器、武具は討伐系の特徴で武装を目一杯乗せている

ゴトーは普段のように自分でオーダーしてクエストを受けるかと思ったが、強敵のため冒険者組合から直接出る難易度【 G 】の仕事だ


ゴトーの役割は 索敵兼商人の護衛だ

前線ではないがアークゴブリンはゴブリンの集団を呼ぶ

その対処のため索敵は多めだ


いつもの4人に加え勇者カンデラのチームは

勇者カンデラ、大魔術師 クックアールとロゾナス、索敵はローキーン、回復魔術師はエランデルとゲットラテ

商人兼索敵のケラゾン、スカードト、ワイトベック

もうガチンコ討伐系といえばいいだろうか、普段から討伐系しかやらないカンデラパーティー

全員ランクFというかランクFからしかパーティーに入れない

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