第7話 バイバイね……
第7話 バイバイね…… 1 ―彼女しかいないのに―
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町にばら蒔かれた赤い石が、ドクドクと脈打つ心臓の様に鼓動を始めた。音は立てない。静かに、ドクドクと……
30分もすれば石は熱を持ち始める。1時間も経てば煌々と光を放ち出す。そして、そこから僅か10分足らず……石が割れ、真っ赤な炎が生まれる。
まだ誰も気付いていない。
このままでは、輝ヶ丘の人々の命は全て燃やし尽くされてしまうのに。
まだ誰も気付いていない。
しかし、気付いた時にはもう遅いだろう。
気付いた瞬間には、カウントダウンが「0」に近いと誰もが知るのだ。
輝ヶ丘の破滅を阻止出来る唯一の存在である筈の《愛の英雄》も、絶望の淵に立ち、泣き崩れている。
一瞬でも、愛する人と再び分かり合えると思ってしまった彼女の心は、愛する人とはもう想いが重ならないと知った時、崩れ去ってしまったのか……
彼女しか輝ヶ丘を救える者はいないのに………
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