第5話 化け狐を追って 16 ―無駄足―
16
ドーンッ………雷は休まない。輝ヶ丘を取り囲んだ物に『そこをどけ』と叫び続ける。
―――――
「どうせ行っても無駄な気がするな……多分、姉ちゃん行ってないよ」
「え? でも……じゃあ、何処に行ったの?山下のお婆ちゃんには『高校に行く』って言ったらしいよ?」
「それは知らないよ。俺が知る訳ないじゃん……知ってたらいちいち桃井さんに聞かないし」
「まぁ……それはそっか。でもさ、とりあえず行ってみようよ。行ってみないと本当かどうか分からないじゃん?」
「はぁ……無駄だと思うけどな」
こんなやり取りがあって約5分後、二人は輝ヶ丘高校に到着した。
………が、瑠樹の予想通り、高校は眠ってしまっていた。
「ほら、言ったじゃないですか。一昨日と一緒だよ。電気も消えてる。門も閉まってる。誰もいないよ……」
「裏口の方に行ってみようよ。そっちは開いてるかも」
「どうせ無駄だよ……」
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