第5話 化け狐を追って 15 ―幼い頃から知っている彼女はもういない―
15
「何でこんな事をするの?」
私は問い掛けた。
しかし、答えてはくれなかった。
「答えて……」
二度目の問い掛けもただ首を振られるだけ。
でも、このままでは終われない。私は邪悪な目をしている彼女の手を取り
「お願い、やめて……」
お願いをした。
でも、その手は振り払われてしまう。
その瞬間、彼女の顔は変わった。
笑顔の"仮面"は捨てられた。幼かった頃から知っている笑顔の似合う彼女はもう存在していなかった。
私の目の前にいる彼女は、私達に隠していた裏の顔を露にして吐き捨てる様に言った……
「黙れ………」
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