第5話 化け狐を追って 14 ―瑠樹は首を傾げる―

 14


 ドーンッ………鳴り止まない雷に、もう愛が反応する事はない。


 ―――――


『姉に会いたい』というお願いを受けた愛は、瑠樹も連れて輝ヶ丘高校に向かう事にした。

 しかし、その道中で学校が休校になっている事を愛が教えると、瑠樹は疑う様な表情になって愛に問い掛けた。


「休校? ……それじゃあ、姉ちゃんは本当に高校行ったのかな? 俺も一昨日に姉ちゃんに会いに高校に行ったよ。まだ輝ヶ丘に閉じ込められる前にさ。朝に『部活がある』って言って出掛けたから。でも、行ってみたら門は閉まってるし、電気は消えてるし、誰も居る気配無かった。完全休校中って感じだったけど?」


 この疑問は愛自身も持っていた。だから首を傾げる事しか出来ない。


「う~ん……どうなんだろ? でも、山下のお婆ちゃんが言うには『高校に行った』って事なんだけど……」


 この言葉に今度は瑠樹が首を傾げる。


「本当かな? まず、休校中の学校に入れるものなの?」


「う~ん……確かにそうなんだけどさ」

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