第6話 勇気の心を武器にして 24 ―俺の名前はガキユウシャだ―

 24


「勇気……? 勇気なのかボッズー?」

 ガキユウシャがデカギライとピエロに啖呵を切ると、その声でボッズーは目を覚ました。


「あぁ、遅れてしまってすまない!」

 そう溌剌とした声で答えると、勇気は……いや《ガキユウシャ》は、ボッズーを屋上へと降ろした。

「だが、今の俺は勇気じゃない。ガキユウシャだ! 君が付けてくれた名前だよ!」


「あ……そうだったなボッズー」


「あぁ!」

『うっかりしていた』という感じで小さく微笑んだボッズーに、ガキユウシャは仮面の奥で微笑み返した。

「さぁ、ボッズーは暫くそこで休んでいてくれ。桃井の話だと、戦いには君の力も必要なんだろ? それまでは少しでも体力を回復させろ」


 そう言われたボッズーは

「うん、ありがとボズ」

 と言ったが

「あ……ちょっと待ってボズ」

 何かを思い出した顔をして、ユウシャを手招きで呼び寄せた。

「ごにょごにょごにょ……」

 その耳元で、ボッズーは何事かを囁く。


「そうか、成る程」


「うん。ガキユウシャの姿を見て、俺の頭に甦った記憶ボズ」


「分かった、助かるよ!」

『甦った記憶』という言葉を少し不思議に思いながらも、ユウシャは力強く頷いた。そして、

「さぁ……始まりだ!!」

 ユウシャは立ち上がり、再びデカギライとピエロを睨んだ。

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