第6話 勇気の心を武器にして 11 ―ふざけちゃいない本気だぜ!!!!!―
11
「はぁあ? 『正義の心で悪を斬る』………だあぁ?? お前ふざけてんのか!!!」
ガキセイギの言葉にデカギライの怒りはより強まった。
「ふざけてる……そう思いたければ思えば良いぜ! でもな、俺は本気だ!!! 俺はお前を倒すッ!!!」
「そうかよ……だったらやってみろ!! お前に俺が殺れるのかよ!!!」
デカギライのこの言葉はただ威勢が良いだけじゃない。デカギライには自信があるんだ。『このクソガキに負ける訳がない!!』という自信が。
しかし、前回のデカギライとガキセイギとの対決を思い出してくれ。あの時の勝負は、デカギライの演技にセイギが騙されていなければ、セイギの勝ちだったと言えるのではないだろうか。ならば、何故デカギライは自信が持てるのだろう。それは、デカギライと芸術家が出会った時の事を思い出してくれれば簡単だ。あの時芸術家は『ほんのちょっとのアレンジで♪ 貴方はもっと強くなるぅ♪』そう歌っていた。そう、芸術家はデカギライを"アレンジ=進化"させていたんだ。
だからデカギライの体は変化する。それは大きな変化じゃない、しかし戦力という意味では大きな変化だ。これまでのデカギライの銃は右手のみ、しかしこれからのデカギライの銃は両手。そう……二丁拳銃だ。
「なるほどな……お前も強くなったって事か。でも大した事無ぇぜ!!」
デカギライの二丁拳銃を見たセイギは叫んだ。
そして、デカギライも。
「何だとクソガキッ!!! BANGッ!!!」
デカギライの二つの銃から同時に弾丸が発砲された。
でも、セイギだって強くなっている。経験がセイギを強くした。
だから二丁拳銃でもへっちゃらだ。セイギは迫り来る弾丸に向かって突進すると、二つの弾丸を同時に斬り落とした。
「トリャッ!!」
そして、素早くジャンプ。走幅跳びの様にデカギライに向かって跳ぶと、空中で大剣を両手で握り直し、デカギライに向かって一刀両断に斬りかかった。
「クッソッ!!!」
しかし、経験での成長で言えばデカギライだってしている。デカギライは大剣が脳天に当たる寸前の所で、咄嗟に身を翻し、間一髪でセイギの攻撃を避けた。
「そりゃそうだよな、こんな大振り避けるよな! でもそれで良い! お前との決着をつけるのはここじゃねぇからな!!」
だがしかし、セイギは『デカギライは自分の攻撃を避けるだろう』と読んでいた。だからセイギは既に動いている。
セイギは俊敏な動作で大剣を腕時計へと仕舞うと、デカギライの背後に回り込んだ。セイギは何をするのか?それは羽交い締めだ。いや、羽交い締めよりももっとキツイ。セイギはデカギライの首に左腕を回し、その首をチョークスリーパーの様に絞めた。更に右手ではデカギライの両手首を掴み、ギリギリ……と音が鳴る程に捻り上げる。
「な、何すんだ……」
デカギライは足掻くがセイギの絞めは強い。逃れられない。
「おいッ! この状態で撃ってみろ!! お前の弾丸はお前自身に当たるぞ!!」
「クソガキが……卑怯な事しやがって……」
「卑怯で結構だ! ボッズー、飛んでくれ!! この場所から移動しよう!!」
「ほいやっさ!!」
「デカギライ、もっと広い場所へ行こうぜ。もっと戦いやすい場所にな!!」
セイギは考えた。『この場所で戦い続けては警官達を巻き込む事になる……』と。だからセイギはデカギライを連れて飛んだ。
― もっと広い場所が良い。その方が俺の新しい技も使いやすい……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます