第6話 勇気の心を武器にして 10 ―正義の心で悪を斬る!!!!!―

 10


「勇気ッ!! こっからは俺に任せろッ!!!」


 大空から現れた者は何者か。それは言わなくても分かる筈だ。そう、それはガキセイギだ。


 ガキセイギはボッズーと共に大空から現れると、

「オリャッ!!」

 ボッズーの羽根の爆弾をくらって悶絶するデカギライの体を掴み、

「行くぜぇーーー!!!」

 飛んできた勢いのままに、三階建ての警察署の壁に向かって突進した。


 ドガンッッッ!!!


 ……と大きな音を立てて、ガキセイギとデカギライは警察署の三階と二階の中間の壁に激突。


「う……うぅ」


 月のクレーターのように警察署の壁はへこみ、細かく砕けた瓦礫が煙の様に宙を舞う。その中から、ドサリ……デカギライは落ちてきた。

 では、ガキセイギは? いいや、心配する必要はない。

 ガキセイギはデカギライをエアーバッグ代わりにして激突の衝撃を防ぐと、パッとデカギライから手を離し、空中でクルッと一回転。そのまま膝立ちの姿勢で地面に着地した。


「ちき……しょう……また来たのかよ!!」

 俯せに地面に倒れたデカギライは、ギリギリと歯軋をしながら地面を拳で叩き、まるで映像を逆再生するかのように立ち上がった。

「折角………楽しんでいたのに……何でお前はいつも邪魔しに来るッ!!! BANGッ!!!」

 そして、デカギライは銃口をガキセイギに向けると、素早く発砲した。


「へへっ!!」

 しかし、勇気と同じだ。ガキセイギもデカギライに怯まない。

「邪魔? 違ぇなぁ! 俺は、お前を邪魔しに来たんじゃねぇ!!」

 ガキセイギは素早く腕時計を叩いた。

「俺は、お前を倒しに来たんだッ!!!」

 ガキセイギは腕時計から現れた剣の柄を掴むと、一気に引き抜き、己に向かって飛んでくる弾丸を斬った。


「クソッ!! 俺を倒すだと? ガキナントカよぉ、ほざくんじゃねぇ!!」


「いいや、ほざくさ。ほざき続けてやるぜ……」

 ガキセイギはデカギライに向かって大剣を構えた。

「そして、覚えておけ……お前を倒す俺の名を!!」

 暮れゆく太陽を背に彼は名乗る。己の名を。

「正義の心でぁくを斬るッ! 赤い正義ッ!! ガキセイギッッッ!!!」

 正義の心を真っ赤に燃やし、悪を倒すと己に誓って。

「………これがお前を倒す、男の名前だ」

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