第5話 俺とお前のオムライス 12 ―快適な朝は人生が変わる予感―

 12


 翌日、勇気は広い玄関に座って、スニーカーの紐を結んでいた。

「父さんが俺を見守っててくれている……か」

 昨日の夜もまた悪夢を見ずに済んだ。グッスリと眠れた夜だった。だから朝の目覚めもとても良く、朝食も美味しく食べれて『快適な朝だ!』と勇気は感じていた。


「何? 勇ちゃん何か言った?」


 と勇気を見送ろうとエプロン姿のまま玄関の上がりかまちに立つ母が聞くと、


「ん? ははっ! 何でもないよ!」

 勇気は満面の笑みを見せた。

「それじゃ、母さん行ってくるね!」

 玄関の扉を開いた勇気を眩しい日差しが照らす。空には気持ちの良い青空が広がっている。『人生が変わる』そんな気持ちになる朝だった。

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