第3話 慟哭 19 ―世界を救う為ならば……―


 19




 勇気は、正義に背を向け歩き始めた。




 勇気は、心に固く誓っていた。正義との決別を……




 ― 自分はもう正義の傍に居てはいけない……



 そう思うから。


 勇気は知っているから。



 ― 自分が傍に居ては、友を想う気持ちの強い正義は自分を選ぼうとする……



 その事を勇気は知っているから。



 ― それは決してあってはならない事。世界を救う戦いに、俺は不要なんだ。俺は、正義の邪魔をしたくない………

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