第2話 バケモノッッッッッ!!!!! 14 ―勇気の声―

 14


 腕時計から聞こえてきた勇気の声は尋常ならざるものだった。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 いや、本当は『はぁ……はぁ……』なんて声じゃない。生きたまま身を引き裂かれる様な、苦しみ、痛み、恐怖…………いや、やはりそんな言葉を使っても足りない。全ての言葉が生易しい。


 その声を聞いた正義は、すぐに勇気の身に危険が迫っている事を察した。


「希望、ごめんな! 俺、行かないとだ! おじさん、ありがとうございます! また……また、来ますね!」


 正義は唖然とした表情の二人を残し、マンションを飛び出した。

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