第2話 バケモノッッッッッ!!!!! 7 ―希望の家ってデッカいな!―

 7


 希望のマンションの前に立った正義は、そのあまりの高さに深いため息をついた。

「ほわぁ……………」

 深いため息と共に口が大きく開き、アゴがガクリと下がる。


「なに間抜けな顔してんだボズぅ」


「いや……だってさぁ……こりゃ、デカ過ぎるだろ」


 パンダ公園の近くから希望が住むマンションを見付けた時、正義はその高さを20階建てくらいだと思った。それでも正義は『輝ヶ丘にもデカいマンションが建ったもんだなぁ!』と驚いたのだが、いざ目の前に立ってみるとそれは想像の倍以上はあった。


「昨日は戦いに集中してたから全然気付かなかったけど、こんなデカイのが建ってたのか………1、2、3……」


「何してんだボズ?」


「数えてんだよ。何階あんのかって、4、5……」

 正義は1階ずつ指を差しながら呟いた。

「6、7………」


「やめろ、やめろ! 馬鹿みたいな事すんなボッズー! ほら、1005! 希望は1005号室だボズよ! 行けボズ!!」


 肩に留まったボッズーに頭を叩かれると、


「へいへい……」

 正義は渋々数えるのをやめた。


「俺はそこの木で待ってるボズ。サッサと済ませろよボッズー!」


 ボッズーはそう言って正義の肩から飛び立つと、すぐ近くの木に向かって飛んでいった。


「へいへい……それにしても、希望良いところ住んでんなぁ」

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